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<非正規雇用>無期転換可能で雇い止め続発警戒 新制度理解へ労組などPR

有期労働者の無期転換ルールの周知を目指し、街頭活動を行う宮城県労連職員ら=7月11日、仙台市青葉区

 労働契約法の改正に伴い、有期契約の労働者が同じ職場で5年を越えて働き続ける場合、2018年4月以降は無期雇用への転換を申し出ることが可能になる。雇用の安定を目的に導入された制度だが、権利発生を前に「雇い止め」が相次ぐとの懸念が労働組合などに広がる。新制度の周知も課題で、法にのっとった運用ができるかどうか先行きは不透明だ。

 「多くの企業で非正規労働者が雇い止めに遭いかねない。皆さん、声を上げていきましょう」
 仙台市中心部で7月11日、宮城県労連の職員らが横断幕を手に通行人に訴え掛けた。鎌内秀穂事務局長は「新制度はあまりに知られていない。全国では中小企業を中心に多くの問題が起きている」と危機感を募らせる。
 総務省の12年の調査によると、宮城県内の有期契約労働者は25万2400人。県内全労働者の25.9%に当たり、全国平均22.6%をやや上回る。改正法は13年4月に施行され、5年が経過する18年度から無期転換への申請が本格化する見通しだ。
 有期労働者は長年、企業から「雇用の調整弁」として扱われてきた。無期転換への阻止が目的とみられる雇い止めが紛争に発展した例が仙台地裁であり、全国各地でも労使間のトラブルが憂慮されている。
 県労連や宮城労働局には16年末以降、既に十数件の相談が寄せられた。「『来年度の再契約はしない』と約束させられた」「雇用継続には正社員転換の試験に合格する必要があると言われた」といった内容だという。
 人材サービス会社アイデム(東京)が3月に実施したインターネット調査(有効回答1233人)によると、無期転換を申請できる新制度について、非正規労働者の85.7%が「知らない」「内容がよく分からない」と回答。企業側も28.4%が理解不足との結果が出た。
 連合宮城の大黒雅弘事務局長は「法の内容を全く把握していない経営者が多く、周知が課題」と指摘。雇用主が有期労働者に新制度を知らせる義務はなく、権利を知らないまま退職してしまうケースが続出するとの懸念も出ている。
 宮城労働局は今秋から来年2月にかけ、県内約4800社を対象に講習会を開き、新制度の周知徹底を図る方針。渡辺安子雇用環境・均等室長は「本年度に相談が集中すると予測している。顕在化していないだけでトラブルは起きているとみられ、周知に力を入れたい」と語った。


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2017年08月16日水曜日


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