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反響呼んだ経産省「次官・若手プロジェクト」生みの親、菅原前事務次官に聞く「行政官、柔軟に問題把握する力を」

菅原郁郎(すがわら・いくろう)東大卒。1981年経済産業省(旧通産省)入り。福田康夫内閣の総理秘書官、経済産業政策局長などを歴任し2015年7月〜17年7月事務次官。現在は経産省顧問、内閣官房参与。栗原市出身。

 経済産業省の事務次官を7月に退任した菅原郁郎氏(60)=宮城県栗原市出身=は安倍政権の成長戦略の策定で中心的な役割を担い、次官時代は人材育成に力を入れた。河北新報社のインタビューに応じた菅原氏は、今後の社会構造の激変を念頭に置き「行政官には過去にとらわれず柔軟に問題を把握する能力が求められる」と語った。(聞き手は東京支社・小沢邦嘉)

 −次官時代、20〜30代の職員有志と「次官・若手プロジェクト」を設けた。
 「トップとして人材をどう育成するかが重要だった。経済政策の課題の根底には国民の将来不安がある。行政が見て見ぬふりをしてきた社会構造の問題点とは何か。若手と議論を重ねて分析した」

 −プロジェクトが5月にホームページで公表した提言は、社会保障制度の限界を指摘した。
 「行政文書では異例の約130万のダウンロードを記録した。役人が絶対に使わない言葉遣いを交え、正直に分かりやすく問題の本質を伝えた。批判も寄せられたが、若手に問題意識を植え付け、世間にも課題を提起できたと思う」

 −「今後は人生100年、二毛作三毛作が当たり前」など超長寿社会を見据えた提言が目立った。
 「勤務先を定年退職して年金を受給する1サイクルの人生ではなくなる。定年延長や医療費の負担増は対症療法にすぎない。行政官は柔軟に問題を把握する力を持ち、第二の人生をマッチングする場の創設など新制度立案が重要だ」

 −東北の経済活性化に必要な施策をどう考える。
 「東北の1次産業は伸びしろが大きく、ブランド確立に力を入れれば世界で販売できる。観光も競争力が十分ある。2018年に韓国、22年には中国で冬季五輪があり、多くのアジア人が『冬』や『雪』への関心を高める。東北の冬を売り出す好機が訪れるはずだ」

 −印象に残る仕事は。
 「東日本大震災の発生後、各省庁でつくる東京電力福島第1原発事故の被災者支援組織の責任者に就き、必死に取り組んだ。東北出身の行政官の責務として、培った経験や知識を生かさなければとの思いだった」


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2017年08月17日木曜日


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