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景観重要建造物に2件 旧針惣旅館、佐大商店登り窯 仙台市指定へ

昭和初期に造られた旧針惣旅館の母屋
六つの窯が連結した佐大商店の登り窯

 仙台市は「杜の都景観重要建造物」に「旧針惣(はりそう)旅館」(若林区南材木町)と「佐大商店登り窯」(青葉区堤町)を指定する方針を固めた。いずれも旧奥州街道沿いにあり、東日本大震災で被災したが修復された。新たな指定は13年ぶりで、指定は計7件となる。
 旧針惣旅館の蔵は明治初期の1870年代、母屋は1932(昭和7)年にそれぞれ完成した。蔵などの伝統的意匠と母屋のモダンな洋館が共存する。47年に旅館となり、86年に廃業するまで角川書店創業者の故角川源義ら著名人も定宿にした。
 震災で全壊判定を受けたが補修で解体を免れた。所有者の針生庸一さん(60)は「古い建物が残る南材木町の街歩きを楽しんでほしい」と話す。
 佐大商店登り窯は、伝統工芸「堤焼」の遺構として堤町に唯一現存する。18(大正7)年に築造され、81年まで使われた。震災でれんがが崩れ落ちたが、ボランティアの協力で復元された。
 保存に尽力した佐大商店4代目当主・故佐藤達夫さんの長女くに子さん(64)は「家内工業として発展した昔の雰囲気を感じてもらいたい」と語った。
 市は2002年から、街の景観形成に資する建物を杜の都景観重要建造物に指定。開始時点で15件の候補があったが、3件が震災で被害を受け取り壊された。貴重な建造物の保存に危機感を抱いた市が建物所有者に働き掛け、今回の2件について指定に同意を得た。
 これまで市は02年に横山味噌醤油(みそしょうゆ)店(青葉区通町)石橋屋(若林区舟丁)小林薬局(同区南材木町)、04年に旧丸木商店(同区南材木町)旧仙南堂薬店(同区河原町)の計5件を指定している。


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2017年08月17日木曜日


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