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<仙台一高>バンカラ精神の象徴、時を超え後輩へ 応援旗64年ぶり戻る

年代物の応援旗を在校生に手渡した坪内さん(左端)
樋口陽一さん

 仙台市出身の憲法学者、樋口陽一東大・東北大名誉教授(82)が母校の仙台一高から持ち帰っていた応援旗が15日、64年ぶりに在校生の元に戻った。樋口さんは24年前に旗を返していたが、当時受け取った生徒代表が自宅に保管し司法試験挑戦の励みにしていた。一高のバンカラ精神の象徴が、時を超えて後輩に引き継がれた。

 校章と校名を織り込んだ応援旗は、樋口さんが1953年、高校を卒業する時に持ち帰ったという。40年後の93年の創立100周年記念式典で、樋口さんは講演した際に旗を披露し、「(母校が)一番おめでたい時に返そうと考えていた」と生徒代表に手渡した。
 ところが、旗を受け取った当時2年の行政書士坪内啓(さとる)さん(42)=青葉区=が「あなたも偉くなった時に返したらどうか」と周囲に言われ、そのまま手元に保管していた。
 坪内さんは15日に青葉区であった同窓会納涼大会で、在校生4人に応援旗を返還。「司法試験に10回失敗し、心が折れそうなときに旗を見て自らを奮い立たせた。一高生の不屈の根性を後輩に引き継ぎたい」と話した。
 穴やしみがある旗を受け取った3年の長嶋健太さん(18)は「歴史の重みを感じる。大切に後世につなぎたい」と応じた。
 「私が40年愛蔵した応援旗。(後輩が)同じことを繰り返していたことに、さすが仙台一高と感に打たれている。波瀾万丈を経て母校に戻る。おめでとう」
 樋口さんは動画でこうコメントを寄せ、返還を祝った。仙台一中、一高時代の手拭いを縫い合わせた年代物の浴衣も在校生に贈り、伝統の継承を託した。


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2017年08月17日木曜日


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