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<奥山市長>震災復興は使命 全力傾注

42年間の市役所生活の大半を過ごした築52年の本庁舎。「愛着と同時に、建て替えなければとの思いが常にあった」と語る奥山市長=市役所

 奥山恵美子仙台市長は21日に任期満了を迎え、引退する。2期8年の前半は東日本大震災からの復旧復興に、後半は復興の仕上げと市立中で相次いだいじめ自殺への対応に追われた。退任目前の心境と、8年間の自己評価を聞いた。(仙台市政取材班)

◎21日に退任 奥山仙台市長に聞く(上)

 −政令市初の女性市長という立場を生かせたか。
 「まちづくりは常にハード、ソフト両面のバランスが大切だ。(女性である)自分の特性として、ソフト事業で魅力を高める都市像を考えていた。特に文化や教育に関して、生かしたいという思いがあった」
 「東日本大震災に関する会議の誘致などで女性市長のアドバンテージはあった。特に仙台での国連防災世界会議(2015年3月)誘致では、国連側の代表も女性(ワルストロム事務総長特別代表)。国連としても災害時の女性のリーダーシップの重要性を打ち出したい中で、私が仙台市長であることを喜んでくれた」

 −任期の大半を震災対応に費やさざるを得なかった。
 「全市民が震災に見舞われた。何を言っても詮無きことだ。それまで40年近い市役所生活の経験や知見をこの局面で生かし切れ、震災に向き合えという天啓と受け止めた。全力を傾けるべき重い使命を与えられたと思った」

 −被災現場に出向くことが少ないと指摘された。
 「顔が見えないとも批判されたが、数十の避難所全てを回ることはできない。全職員を機動させる枠組みを構築し、阻害要件を取り除いて迅速に前進させることが市長の役割で、市民の期待でもあったと思う」

 −「震災疲れ」がなければ3選を目指したのでは。
 「震災のない8年を経験していないので、これ以外の8年がどういう形であり得たのか想像できない。震災がなければ、東北唯一の政令市として東北全体に寄与しようと、もっと早く乗りだしていたとは思う」

 −いじめ自殺を含め、市の教育行政の最終的な責任者は市長か教育長か。
 「首長による教育長の任免権が明確化した現行の教委制度では、より首長の責任が増し、最終的な責任は市長にあると思う。ただ、首長は4年ごとに選ばれる不確定性がある。教育の安定性とどう両立させるかは試行錯誤の段階だ。首長選で民意を示すとともに、各学校にも期待や希望という民意を示すことで、首長の人気取りのための極度な政治的変動を防げる」

 −郡和子新市長は元衆院議員で、まさに「政治家」だ。懸念は。
 「ソフトな感覚を持っており、あまり心配していない。(教育行政に深く関与した)橋下徹さん(前大阪市長)のようなことにはならないと思う。郡さんは現場主義も掲げており、教職員や保護者の話を直接聞けば極端な考えにはならないだろう。仙台の教育はそうした土壌でもない」


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2017年08月18日金曜日


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