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<羽生結弦>66年ぶり五輪連覇へ視界良好

平昌冬季五輪に向け練習する羽生
羽生の歩み(1994〜2013年)
羽生の歩み(2013〜18年)

 フィギュアスケート男子の羽生結弦(22)=ANA、宮城・東北高出=が、2月の平昌冬季五輪に向け、カナダ・トロントで順調に調整を続けている。ブライアン・オーサーら一流のコーチ陣や世界レベルの選手に囲まれ、充実した日々を送る。最高の練習環境は、2014年ソチ五輪金メダリストの向上心を絶えず刺激する。ジャンプも表現力も、成長は止まらない。9月下旬のオータム・クラシック(カナダ・モントリオール)から始まる勝負のシーズンまで1カ月あまり。五輪連覇へ視界は開けている。(佐藤夏樹)

◎慢心なし 自信あり/技と表現ひたむきに磨く

 8日、練習拠点のトロント・クリケット・スケーティング&カーリングクラブを訪れた。数々のメダリストを生んできたリンクに、羽生の細身の体がたゆたう。10台を超えるカメラが動きを追っても、リラックスした滑りは変わらない。
 映画「陰陽師(おんみょうじ)」の「SEIMEI」の笛の音が鳴ると目つきが変わった。フリーの曲かけ練習。4回転ジャンプは高さがあり、着氷も美しい。ひとたびスイッチが入ると金メダリストの風格が漂う。そして、周囲を和の世界に引き込む。
 表情には充実の色が浮かぶ。「質のいい通しの練習を何回もしている。ソチより成長している」。そう手応えを語る。
 フリーは2季前、世界歴代最高得点を次々更新した自信の曲を選んだ。4回転は3種類5本に増やす。ネーサン・チェン(米国)、宇野昌磨(トヨタ自動車)、金博洋(中国)ら、いずれも4回転を武器とする十代のライバルを抑えるには進化が必要だ。
 ただ技に走るわけではない。経験を生かして表現に深みを加える。昨季のフリーは久石譲さんの「ホープ&レガシー」で日本の自然を表現。陰陽師の安倍晴明やソチ五輪の優勝曲「ロミオとジュリエット」など、人物や物語を演じるのが得意な羽生が、新たな境地を開拓した。今回のSEIMEIは「キャラクターの背景まで、手、脚、上半身の動き一つ一つで見せる」。
 技も表現もひたむきに磨いてきた今、理想の演技が見えてきている。プログラムの世界観を表現する中に、さりげなく技を組み込む。4回転全盛の男子フィギュア界のトップを走りながら、技に固執しない大局観がある。
 武器は何かと聞かれると、羽生は「全部」と即答する。「みんな個性があり、ソチよりメダル争いは熾烈(しれつ)」と認めつつ、「どこを切り取っても、羽生結弦はうまいと思われるスケートを目指す」。
 66年ぶりの五輪連覇へ。慢心はない。自信だけがある。


2017年08月18日金曜日


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