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<和牛の頂点へ>通い合う心 生徒ら成長

ゆうひ号を調教する平間さん(左)とサポートする佐藤さん

◎全共宮城大会へ向けて(7完)柴田農林高(大河原)


 「バーヨ(大丈夫だよ)」「バ(止まれ)」「シッ(進め)」…。柴田農林高の飼育舎で、動物科学科3年の平間大貴さん(18)が牛の鼻につないだ縄を揺らしながら、こまめに声を掛けた。

<ゆうひは気分屋>
 牛は、全国和牛能力共進会(全共)宮城大会からできる復興特別出品区(高校の部)の県代表牛「ゆうひ」号。歩き方や立ち姿といった大会の審査に向け、平間さんが調教に励んでいる。
 昨年夏、学校が共進会への参加者を募ると、平間さんだけが「他にやる人がいないのなら」と手を挙げた。
 今年に入って調教を始めると不安が襲った。牛が全く言うことを聞かなかった。ゆうひは昨年6月に生まれたばかりで気分屋の性格。自分の行きたい方向にだけ歩みを進めた。
 救いの手を差し伸べたのは地元農協の担当者や地域の農家だった。「牛にもっと大きな声を掛けて」。牛との距離の縮め方を手取り足取り教えてくれた。
 平間さんは努力も欠かさなかった。授業がある日もない日も飼育舎に来て、午前7時からと夕方ごろに牛を運動させた。
 3月ぐらいからゆうひが少しずつ指示を受け入れるようになった。「動物は手を掛けた分だけ懐いてくれる」。平間さんは牛と心を通わせることで、畜産の仕事の面白さを知った。

<4校の争い制す>
 5月になると、部活を引退した同級生たちもゆうひの世話をするようになった。現在は主に6人で毛のブラッシングやマッサージ、水洗いをしている。メンバーの一人の3年佐藤涼さん(17)は「作業の成果が見えるようになるとうれしい」と笑顔を見せる。
 県の代表牛を選ぶ6月の最終選考で、柴田農林高は4校の争いを制した。結果が出ると、普段は物静かな平間さんがガッツポーズを決めた。
 動物科学科の村上大亮教諭(41)は「生徒たちは若い牛のように急激なスピードで成長している」と目を細める。
 次はいよいよ全国の舞台。「お世話になった人たちのために日本一になりたい」。平間さんは力強く言い切った。(大河原支局 柏葉竜)



◎牛政宗の豆知識/高校の部が初開催

 復興特別出品区 全共の付帯行事として、宮城大会で初めて「高校の部」が開催される。次代の担い手育成が目的。出品牛は自校産が条件。牛の審査に加え、各校による取り組みのプレゼンテーションも加味し、順位を決める。14府県から14頭が参加する。


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2017年08月19日土曜日


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