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鎮魂の羅漢500体到達 陸前高田の名刹「普門寺」、震災後の奉納は市の犠牲者数と同じ1750に

普門寺の参道に並ぶ五百羅漢像

 東日本大震災の犠牲者を慰めようと岩手県陸前高田市の名刹(めいさつ)「普門寺」で制作してきた石仏の五百羅漢が500体に到達し、開眼法要が18日営まれた。遺族や被災地を支援する人々が2013年以降、毎年夏に寺を訪れては石に一彫り一彫り、それぞれの思いを刻んできた。
 五百羅漢の制作は、被災者の心を癒やしたいと、芸術家やアートセラピスト、僧侶でつくる「未来への記憶プロジェクト」が企画。彫刻家らが講師となり、全国から集まった人たちが高さ30〜40センチの石にのみを打ち込んできた。
 今年の作業は13日に始まった。陸前高田市の会社員松崎みき子さん(60)は、津波で亡くなった友人の供養をしたいと参加。家族ぐるみで海水浴やバーベキューを楽しんだ時の笑顔を石に刻んだ。「悲しくて何年も現実を受け入れられなかったが、彫ると心が落ち着く。今日を精いっぱい生きたい」。松崎さんはそう語る。
 普門寺には震災後、五百羅漢プロジェクトとは別に多くの仏像が奉納されている。羅漢像と合わせた総計は、くしくも1750人以上という陸前高田市の震災犠牲者数とほぼ同数になる。
 法要を終えて熊谷光洋住職(65)は「遺族の心を少しでも慰められる場所になってほしい。これで終わりではなく、多くの人に知ってもらい、お参りしてもらうのも使命だ」と話した。
 羅漢像の制作は今年が最後で、19日まで行われる。


2017年08月19日土曜日


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