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<里浜写景>ご先祖さまと短い夏楽しむ

墓石の前で盛大に花火。鮮やかな炎を見つめながら、亡き人をしのぶのが大間町のお盆の習わし=大間町墓園
墓の前で花火をして故人をしのぶ青森県大間町のお盆

 死者を悼む厳かなお盆の夜。お参りの人も絶えて静まり返っているはずの墓地に花火が舞い、まばゆい光が墓石を照らした。
 ここは高級マグロの産地として名高い本州最北端の地、青森県大間町。墓参には線香や花、供物とともに大量の花火を持って行く。あっちこっちで点火され、夜の墓地はにぎやかな歓声と煙に包まれた。
 明治時代から続く習わしらしいが、由来は分からない。「下北の夏は短い。それを満喫したいという気持ちが、いつの間にかエスカレートしたのでは」と元町職員の米沢明男さん(80)が推測する。
 宮城県蔵王町の阿部夏美さん(32)が大間町の実家に帰省していた。結婚するまで、花火はお墓で楽しむものとばかり思っていた。「ご先祖さまに子どもたちの元気な声を届けられる。いい風習です」
 家族が集う花火大会が終わるころ、津軽海峡には秋の気配が漂い、マグロ漁が最盛期に向かう。(文と写真 写真部・高橋諒)

<メモ>
お盆になると大間町の家々では、ハマナスの実やカラフルなせんべいなどをつるして仏壇を飾り付ける。墓石の前にはろうそくが入ったガラス製の灯籠が置かれ、一晩中明るくともっている。迎え火や送り火の風習はないという。


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2017年08月20日日曜日


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