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里山から宅地へ 激変期の仙台描写 地質学者・渡辺萬次郎スケッチ展

青葉区中山の宅地造成を描いたスケッチ(市歴史民俗資料館提供)
渡辺萬次郎

 仙台市で晩年を過ごした地質学者渡辺萬次郎(1891〜1980年)が、高度経済成長期の市郊外を描いたスケッチを紹介する回顧展「萬次郎さんの仙台風景スケッチ」が9月8〜24日、青葉区大町のイベントスペース「東北リサーチとアートセンター」である。大規模宅地開発前後の仙台の様子が分かる貴重な資料となっている。

 市市民文化事業団の主催。里山が宅地に変わる様子を、渡辺がペンや色鉛筆で描いた約700点のうち、約60点を展示する。残りの作品もファイルにとじられ、見ることができる。
 渡辺は74歳だった1966年、激変する市郊外の風景を描き始めた。南光台(泉区)や中山(青葉区)、八木山(太白区)などの宅地造成地を写し取った作品には、緑を惜しむ気持ちがにじんでいる。
 作品には当時の地名や建物の名称が書き込まれており、地図や空中写真と照らし合わせてスケッチした場所を調べる企画もある。作品は市歴史民俗資料館(宮城野区)が所蔵している。
 回顧展を企画した大阪府の美術家伊達伸明さん(52)は「スケッチの量が半端でないほど多い。科学者の目で冷静に記録している。自己表現を狙った作品ではないのに、個性が感じられる」と語る。
 渡辺は福島市出身。東北大理学部長や秋田大学長、日本地質学会長を務めた。鉱床学の功績から日本鉱物科学会の「渡辺萬次郎賞」、マンガン鉱物「萬次郎鉱」に名を残している。
 回顧展は午前11時〜午後6時。11、12、19、20日は休み。期間中の16日には「萬次郎風」で描くスケッチ会が市民会館(青葉区)で開かれる。回顧展、スケッチ会とも無料。連絡先は東北リサーチとアートセンター022(397)7256。


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2017年08月21日月曜日


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