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民具とスケッチ 暮らしを映す 収集家の遺族寄贈 北上で企画展

丹治さんが集めた生活道具と自作の水彩画を紹介している資料展
故丹治敬子さん

 岩手県北上市黒岩の主婦、故丹治敬子さん所有の生活道具が市立博物館に展示されている。遺族から寄贈された数百点の遺品の中から厳選し、初めて展示した。道具にまつわる逸話を記した丹治さん自作の水彩画も紹介。博物館は「地域の歴史や生活の一端が分かり、資料価値は高い」と評価し、続編の検討を始めた。
 ところてんを作るてんつき、丹治さんの祖父が使ったそろばん、冠婚葬祭に用いた米袋など明治、大正、昭和の生活道具約20点を展示。道具を描写した水彩画には、入手経緯や当時の時代背景、丹治さん自身の思いがつづられている。
 「戦争の残影」と題した展示コーナーで母が買ってくれたげたを紹介している。水彩画に記した文章で「外出などはもってのほか、家中の衣類の繕い方に精を出す日々でした」「青春とよべるような事は何も無かったように思います」と戦時中を回想した。
 丹治さんは1918年、仙台市生まれ。戦争で父の故郷の北上に疎開した。戦後は高校教諭の夫と岩手県内各地で暮らし、夫の退職後は北上で過ごした。
 自宅近くにギャラリーを設けると、以前から持っていた生活道具や地元で収集した骨董(こっとう)品を並べ、水彩画などにスケッチした。
 丹治さんが2011年に亡くなり、手付かずだった収集品を次女が昨年「母が残した物を見てほしい」と博物館に依頼。主任学芸員の渋谷洋祐さん(44)は「民具とスケッチの量に驚いた。しかもセットであった。昔の生活を知る上で貴重な資料だ」と寄贈を受け入れた。
 展示は10月30日まで。博物館は丹治さんの収集品を順次公開したいという。


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2017年08月21日月曜日


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