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<菅原エン>岩手初の女性衆院議員の足跡次代へ 地元男性が「一代記」

「菅原エン一代記」を手にする菊地さん

 戦後初の衆院選で岩手県最初の女性衆院議員となった菅原エンの足跡をたどる「菅原エン一代記」を、菅原氏の故郷・一関市大東町の元小学校教員菊地和夫さん(80)がまとめた。戦前から戦後にかけて女性の社会参画に奮闘した半生を描いた。

 菅原氏の遠縁に当たる菊地さんは、日本の国会議員に占める女性の割合が国際的に見ても低いことなどへの疑問から昨年、業績の再検証を決心。知人ら約400人の協賛を得て、菅原氏以来となる県関係の衆院議員高橋比奈子氏(比例東北)=盛岡市出身=らの提供資料を基に執筆を進めた。
 一代記では、菅原氏が戦った三つの選挙をラジオ演説の原稿や陣営関係者の回想録などで振り返る。政界関係者や親族からの寄稿に加え、歌人でもあった菅原氏の短歌も収録した。
 女性の参政権が初めて認められた1946年4月の衆院選で、岩手選挙区には男女45人が立候補した。戦前から女性参政権運動に携わってきた菅原氏は当時47歳。「どぶろく公認」などを有権者に訴え、当選者8人の中でもトップ当選を果たした。
 「(戦後の)悲惨なありさまの中、女性解放の歴史にとって新紀元となった」などと、最初の総選挙を振り返る菅原氏の論文も一代記には掲載されている。
 菅原氏は新憲法公布後の47年と49年の総選挙で落選し、政界を引退。1994年に93歳で亡くなるまで故郷の大東町曽慶で暮らし、婦人会の活動などに励んだ。
 菊地さんは「女性が家畜以下にも扱われた時代を生き、必死で政治参加に道を開いた。不祥事を犯す現代の政治家を厳しく見つめるきっかけにもなればうれしい」と話す。印刷した800部は一般には販売せず、岩手県内の図書館などに寄贈した。


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2017年08月24日木曜日


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