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<JR東>「被災路線の利用促進、大きな使命」坂井究・仙台支社長に聞く 

坂井究(さかい・きわむ)東大卒。1985年旧国鉄入社。財務部長、執行役員総合企画本部経営企画部長などを経て、6月から仙台支社長。56歳。新潟県出身。

 JR東日本仙台支社の坂井究支社長(56)が河北新報社のインタビューに応じ、東日本大震災の被災路線の利用促進に力を入れる方針を強調した。2011年7月の新潟・福島豪雨で不通となり、上下分離方式による復旧が決まった只見線については「復旧後も地元自治体と一緒に鉄路維持に取り組む」と述べた。(聞き手は報道部・保科暁史)

◎只見線、復旧後も地元と一緒に鉄路維持

 −震災で被災した管内の路線は全て復旧した。
 「被災路線の利用促進は大きな使命だ。震災直後の状況と比べると感慨深いが、大事なのはこれから。内陸に線路を移設するなど大きな投資をした。定期利用の通勤通学客、普通切符の観光、ビジネス客の両方を意識し、路線や沿線の活性化を図りたい」

 −只見線の鉄路復旧が決まった。
 「前職の経営企画部でも携わった。1日の乗客が50人程度では鉄道の力が発揮できず、利便性の面からもバスの方が望ましいと提案してきたが、地元の強い意向もあって復旧が決まった」
 「鉄道設備は地元自治体が所有し、運行はJRが担う。自治体は81億円を見込む復旧費の3分の2と、年間2億1000万円の維持費を負担する。この負担は大きい。まずはしっかりと復旧させることが使命で、その後は自治体と一緒に路線維持に取り組む」

 −人口減少で地方路線の維持が厳しさを増している。
 「鉄道の最大の強みは大量輸送。人口が減少していく地域で鉄道をどう維持するか、または違う交通に転換するか。長い目で見れば考えていく必要がある。国鉄時代の国の財産を引き継いだわれわれは、地域から逃げられない。地元と一緒に考えていく」
 「各線区の利用状況をホームページで公表しているが、それだけでは十分でない。一部の自治体は社員が出向き、利用者数の推移を説明している。まずは情報を開示し、地元にも実態を知ってもらうことが重要だ」

 −訪日外国人旅行者(インバウンド)の誘致に向けた取り組みは。
 「東北も伸びてはいるが、絶対量はまだ少ない。広域的に連携してPRしていくことが大事。当社が担うのは輸送面だが、鉄道だけで観光は完結しない。バス、飛行機、船などと協力した『立体観光』でインバウンドを呼び込みたい」


2017年08月25日金曜日


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