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<タリウム事件控訴審>精神障害 主張や証拠補強が焦点

元名大生の控訴審初公判で、抽選に参加する傍聴希望者。81の傍聴席を求めて219人が列を作った=2017年8月24日、名古屋市

 名古屋高裁で24日に始まった元名古屋大女子学生の控訴審は、再び責任能力が最大の争点となった。「人が死ぬ過程を見たかった」などと異常な動機を語ってきた元名大生。一審では弁護側鑑定医の見解が全面的に退けられ、弁護側が精神障害に関する主張や証拠をどこまで補強できるかが控訴審のポイントになる。

 この日、元名大生は白いシャツと黒いズボン姿で出廷した。一審からやや伸びた黒髪を後ろで小さく束ね、口元はこれまで同様、大型のマスクで覆っていた。
 本人確認では「間違いございません」とはっきりと返事。証言台に立ったのはこの時だけで、弁護側が控訴趣意書を朗読する約40分間、自席でうつむきがちにじっと聞き入った。
 被告の弁護は一審と同じ弁護団。10月に実施が決まった被告人質問では一審後の情状や精神面の変化を尋ねる見通し。公判供述は現時点で採用が決まった唯一の新証拠となり、責任能力や量刑の判断材料になる。
 弁護側は新たな児童精神科医の尋問を申請する意向だ。一審前に鑑定医が作成した膨大な精神鑑定書も証拠請求したが、高裁は「一審の証人尋問で十分」と却下した。
 地裁判決は「最も軽い部類の無期懲役」と述べた上で「障害の克服に照らし、仮釈放の弾力的な運用で比較的早期の社会復帰を図ることが適切」と異例の言及をした。
 一審で裁判員を務めた愛知県内の40代男性は傍聴後の取材に「精神障害についておおよそ理解し、きちんと結論を出せたと思うが、高裁がどう評価するか見届けたい」と話した。(報道部・斉藤隼人)


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2017年08月25日金曜日


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