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<タリウム事件控訴審>元名大生、二審も無罪主張

元名大生の控訴審初公判で、81の傍聴席に219人が列を作った=24日午前9時5分ごろ、名古屋市中区三の丸

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂など6件の罪に問われ、名古屋地裁の裁判員裁判で無期懲役判決を受けた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の控訴審初公判が24日、名古屋高裁で開かれた。弁護側は「各犯行時は責任能力がなく、無罪だ」と主張。検察側は「完全責任能力を認めた地裁判決に事実誤認はない」と控訴の棄却を求めた。
 複数の精神障害の影響をどう評価するかが焦点。一審では鑑定医3人の見解が大きく分かれており、裁判員が参加しない控訴審の判断が注目される。
 弁護側は地裁判決を「数々の重大な事実誤認をし、責任能力を誤って認めた」と批判。各犯行について「発達障害と双極性障害(そううつ病)が重大な影響を与えた。人の死や焼死体、硫酸タリウムに興味が著しく集中し、行動を制御できない精神状態だった」として、心神喪失による無罪を改めて訴えた。
 タリウム混入事件では一審で認定された殺意を否定し、「障害により結果を想像できなかった」と主張。処遇について「単に長期間、社会から隔離したり、障害を深刻化させたりする刑罰は無意味」とし、医療観察法による専門的治療を求めた。
 弁護側は一審後の精神状態の変化や情状を立証するため被告人質問を求め、高裁は実施を認めた。10月27日の次回公判で行われる。
 今年3月の地裁判決は、障害が犯行に与えた影響について「一定程度あったが限定的」と認定。「複数の重大かつ悪質な犯罪に及んでおり、罪は誠に重い」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。
 地裁判決によると、仙台市内の私立高に通っていた2012年5〜7月、中学と高校の同級生男女2人に硫酸タリウムを飲ませ、殺害しようとした。14年12月、名古屋市昭和区の自宅アパートで知人の森外茂子(ともこ)さん=当時(77)=を殺害。6日後に帰省先の仙台市で青葉区の女性方に放火し、住民3人の殺害を図った。


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2017年08月25日金曜日


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