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<ほっとタイム>福祉のバトンつなぐ

式典の出席者を見送る寿美子さん(左から2人目)と寿志さん(右端)=東松島市の大塩市民センター

◎東松島・被災の宅老施設再建

 母の目に、うっすら涙がにじんだ。
 東松島市で6日、社会福祉法人ことぶき会の設立10周年記念式典があった。席上、法人理事長の伊藤寿志さん(45)から前理事長で母親の寿美子さん(68)に感謝の花束が贈られた。式次第にないサプライズの演出だった。
 寿美子さんは、約20年前に同市東名地区にあった自宅を改修し、宅老所を開いた。「視力障害のある隣人の不自由な暮らしを何とかお手伝いしたい」との思いが原動力となった。
 東日本大震災の津波で宅老所など関連施設が被災した。「命を預かる仕事は途中でやめられない。居場所を絶やしたくない」。そう覚悟し、自前で再建。地元の自治会関係者は「活動が地域に根差していて、住民の安心安全につながっている」と言う。
 6月に理事長のバトンを託された寿志さん。古里で福祉の世界に身を投じ、ケアハウス施設長などの経験を積んできた。「地域に尽くし、社会的弱者を支えていきたい」と誓う。
(石巻総局・水野良将)


2017年08月25日金曜日


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