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<被災ビル被害認定>元所有者、近く清月記提訴へ 仙台市の手続きは適正

 東日本大震災で被災した仙台市青葉区の雑居ビルの売買契約に不当な点があるとして、元所有者の男性(東京)が買い主の冠婚葬祭業清月記(仙台市)を相手に、近く仙台地裁に提訴する方針を固めたことが25日、分かった。一方、元所有者側は同日、被害認定が「大規模半壊」に変更された後、罹災(りさい)証明書を郵送で受け取っており、市の手続きに瑕疵(かし)がなかったと明らかにした。
 ビルの被害認定を巡り、契約書上は「半壊」だった。実際は公費解体の対象となる「大規模半壊」で、市が7600万円で解体した。元所有者側は契約無効を主張し、公費解体分は不当利得に当たるとして返還を求める方針。
 売買契約は2012年3月29日、清月記が自前で解体する「半壊」を前提に結ばれ、価格は1億3500万円だった。市は契約直前の同27日、認定を公費解体の対象となる「大規模半壊」に引き上げ、ビルは公費で解体された。
 元所有者は「変更後の罹災証明書は受け取っていない」と説明していたが、「(契約2日後の)31日に証明書を契約仲介業者に送った」と書かれた封筒を見つけたという。元所有者は「書類の確認が不十分だった」と釈明した。
 元所有者は契約前日の同28日午前、契約手続きのため外出し、同日夜に仙台入り。同29日、大規模半壊に引き上げられた事実を知らないまま、仙台市で契約書に調印したという。
 市が大規模半壊と認定した際の調査は契約直前の3月22日に行われ、清月記の取引業者が立ち会っていた。市はその場で認定引き上げの見通しを伝えたとみられるが、元所有者は「契約時に全く説明はなかった」と指摘した。
 元所有者の代理人弁護士は「重要な情報を清月記側だけが知った上で契約を締結させた。半壊を前提とした契約は無効だ」と述べた。
 清月記側は「契約は適切に行われており、違法性はない」と反論している。


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2017年08月26日土曜日


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