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青森中学生いじめ自殺1年 遺族の不信感強く

亡くなった男子生徒の小さい頃の写真と仏壇。今月19日には同級生らがお菓子を持って訪れた=青森県東北町
いじめによる子どもの自殺に関するパネル展で、家族から葛西さんへのメッセージを読み上げる剛さん=26日、青森市

 昨年8月に青森県内で、2人の中学生がそれぞれ、いじめ被害を訴えて自殺してから1年がたった。息子、娘の一周忌を迎えた遺族は、現在も続く原因究明の調査に「今度こそは遺書の内容を読み取って」「曖昧な調査はしてほしくない」と思いを募らせる。

<10月末までに報告>
 「19日が迫ってくるのが怖かった。1年がたったけど、息子が亡くなって、もう戻ってこないという事実に変わりはない」
 昨年8月19日にいじめ被害を示唆する遺書のようなメモを残して自殺した東北町上北中1年の男子生徒=当時(12)=の母(50)は、一周忌をこう振り返った。
 男子生徒が自殺した翌月、町いじめ防止対策審議会による調査が始まった。12月にまとまった調査報告書では、男子生徒に対する校内でのいじめを認めたものの、自殺に至ったのはいじめのほか、小規模の小学校から人数の多い中学校へ進学したストレス、思春期の影響などの複数の要因があると結論付けた。
 納得のいかなかった遺族は今年1月、町に再調査を要請。3月に町いじめ問題再調査委員会が設置され、現在も調査報告書を再検討している。
 男子生徒の母は「本人が自殺の一番の原因はいじめだと書き残している。この一言では、駄目ですか。息子が残したメモを、遺書として扱ってほしい」と調査への思いを吐露した。再調査委は10月末までに報告書案を遺族に報告する方針だ。

<「日に日につらく」>
 昨年8月25日に自殺した青森市浪岡中2年の葛西りまさん=当時(13)=の父剛さん(39)は、今年の8月25日を普段通り過ごした。剛さんは「特別な日にしたくなかった。今も亡くなった事実を受け入れたくないが、時間がたつと思い出す機会が増え、日に日につらくなっている」と話す。
 自殺から4カ月後の昨年12月、市いじめ防止対策審議会は葛西さんへのいじめを認定した。今年3月に調査報告書案を遺族へ説明したが、葛西さんが思春期特有のうつだった可能性があるとの記載について、具体的な根拠を示せなかった。
 不信感を持った遺族は翌4月、内容の一部再検討や一部委員の解任を要望した。審議会や市教委は応じなかったが、5月末、審議会の全委員が任期満了に伴い退任。退任間際に、審議会は「(自殺には)いじめ以外の要因がないと断言できる情報を得られなかった」として自殺が「いじめを含むさまざまな要因が関わった死」との見解を示した。
 宙に浮いた報告書案は、顔触れを一新する審議会の資料になる。新たな委員は全国規模の職能団体からの選出が決まり、現在も選任作業が続く。剛さんは「いじめさえなかったら娘は亡くなっていないという家族の気持ちを、正面から受け止めてもらえていない。曖昧な調査結果からは曖昧な再発防止策しか生まれない」と語った。


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2017年08月28日月曜日


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