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「温泉王国」山形に初の空白地 新庄の施設が老朽化で閉館へ

年内で閉館することになった奥羽金沢温泉

 山形県新庄市で唯一の天然温泉の日帰り入浴施設「奥羽金沢温泉」が老朽化に伴い、12月末に閉館する。市は一時、近くの宿泊研修施設に湯を引き込むことで市民が利用できる温泉を維持する案を示したが、具体化はしていない。全35市町村に温泉が湧く「温泉王国」の山形県で、新庄市が初の「温泉空白地」になりそうだ。

 奥羽金沢温泉は、新庄市農協などが出資する運営会社が1986年に開業した。市東部の山屋地区にあることから、地元では「山屋温泉」とも呼ばれていた。
 源泉をくみ上げるポンプの故障で2015年4月に休業。自前で修繕して昨年3月に営業を再開したものの、今年4月には井戸水をくみ上げるポンプが故障し、何とか修理して営業を続けている。
 運営会社は「開業から30年が経過して施設の老朽化が著しい。次に故障したら、またすぐ休業せざるを得ない」と説明する。
 年間利用者は当初、約16万人いた。近隣の市町に新しい日帰り温泉施設ができたことなどから、近年は数万人に低迷。リニューアルには億単位の費用がかかるとみられ、閉館を決めた。
 運営会社は休業中、資本金の約1割を出資する市に改修資金の援助を要請した。市は源泉所有者の農協側に使用料を支払い、近くにある市の宿泊研修施設「山屋セミナーハウス」に湯を引き込み、日帰り温泉の機能を維持する構想を示した。
 ところが、源泉から湯を引き込む際に加温設備が必要になるなど、課題も多いことが市の調査で判明。その後、運営会社が営業を再開したことで具体化に向けた検討は中断している。
 市は「研修施設に温泉を引き込む計画は保留中」としており、今のところ市内に温泉施設がなくなってもやむを得ないとの立場だ。
 温泉の利用拡大を呼び掛けてきた市民グループ「山屋温泉を考える市民の会」の星川満代表(74)は「泉質が良くて疲労回復や健康増進にいい所だ。どういう形でも施設を存続させてほしい」と話している。


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2017年08月28日月曜日


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