福島のニュース

<原発被災地>学校再開へ小中生確保に腐心 アピールに知恵絞る

見学会で教育内容などを説明する福島県浪江町教委の職員。避難中の保護者が参加した
福島県飯舘村教委が作成した教育パンフレット。保護者全員に配布した

 福島県内の東京電力福島第1原発事故被災地で来春、小中学校を再開させる各教育委員会が児童生徒の確保に腐心している。避難指示が解除されても、地元での就学希望者は限られるため。教育内容の説明会や施設見学会を開催するなど、アピールに知恵を絞る。
 浪江町教委は今月、整備中の小中学校で見学会を開いた。あえて、お盆期間の2日間を日程に組んだ。避難先から帰省する保護者に参加を促すためだ。
 説明要員として畠山熙一郎教育長や担当職員、現職校長らが待機。来場した保護者は計2組にとどまったものの、「目の行き届く少人数教育を実践する」「校庭は芝生化の計画」などと特色をPRした。
 町は今春、一部の避難指示が解除されたものの、帰還者の多くを高齢層が占める。意向調査で9割以上の保護者が避難先での就学を希望するなど、教育再生の道のりは険しい。
 町教委は現在、保護者から要望の聞き取りなどを進めている。畠山教育長は「次世代を育てることは地域の未来につながる。一人でも多くの子どもが通える環境を整えたい」と決意を示す。今後も校舎の内覧会を開くほか、各種就学支援策の構築を急ぐ考えだ。
 飯舘村教委は今夏、新しい教育パンフレットを作成した。来春の開校に向けて建設が進む小中学校の概要を記したほか、「制服支給」「外国語教育の実施」といった支援策、独自の教育プログラムを盛り込んだ。
 1000部印刷して保護者全員に配布しており、9月には説明会も計画する。福島市内の仮設校舎で学ぶ子どもたちに重点を絞り、村内への就学を働き掛ける戦略を描く。
 2年前の調査では50人程度の通学が見込まれた。しかし、直近の動向は村教委でも読み切れない。中井田栄教育長は「各家庭とも年内に就学先を決断する傾向にある。秋口までの活動が成否を握る」と表情を引き締めた。


2017年08月28日月曜日


先頭に戻る