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<むすび塾>岩沼で開催 企業防災在り方探る

震災時の津波到達水位を示す看板を見上げ、当時を振り返る参加者=岩沼市下野郷

 河北新報社は28日、通算70回目の防災・減災ワークショップ「むすび塾」を岩沼市の岩沼臨空工業団地で開いた。企業防災の在り方がテーマ。立地企業の経営者ら9人が東日本大震災の津波で被災した経験を振り返り、従業員の命を守る方策を語り合った。
 同団地は仙台空港の南にあり、約200社が立地する。震災で最大約4メートルの津波に襲われて生産設備などが被害を受けたが、計約4000人の従業員に犠牲者はいなかった。
 立地企業の建設会社であった語り合いで、参加者は当時の状況について「車で避難したが渋滞に巻き込まれた」「約20メートル近くまで津波に迫られ、間一髪で助かった」などと証言。従業員を帰宅させるかどうかの判断が難しいとの声も相次いだ。
 建設資材販売リース「丸藤シートパイル」仙台工場の嘱託社員で、震災時は工場長だった渡辺達雄さん(65)は「日頃から避難経路、避難場所を明確に示しておくのが長の責任」と語った。
 同団地は2014年に防災マニュアルを策定。車で避難する際の対応として、渋滞を防ぐため、各社の立地ブロック別に3方向のルートを設定し分散を図った。
 立地企業約140社が加盟する岩沼臨空工業団地協議会会長の粟野昭治さん(65)は「従業員が安心して避難できるよう策定した」と説明。東北大災害科学国際研究所の丸谷浩明教授(防災社会システム)は「マニュアルを周知徹底させ、防災の取り組みをさらに進めてほしい」と述べた。


2017年08月29日火曜日


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