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<台風10号豪雨1年>「楽ん楽ん」法的責任認め賠償を 遺族、法人に要求

記者会見し、緑川会に法的責任を認めるよう訴える遺族の八重樫さん(右)と吉江弁護士

 昨年8月の台風10号豪雨による洪水で犠牲になった岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」の入所者9人のうち6人の遺族は29日、施設を運営していた医療法人社団「緑川会」(岩泉町)に、避難が遅れた法的責任を認めた上で慰謝料を支払うよう求める書面を提出したことを明らかにした。
 書面は25日付。他に(1)被災時、施設内にいた女性所長による直接説明(2)施設の避難計画の公表(3)遺族の意向を無視した施設跡地への慰霊碑建設の停止−を求めた。9月10日が回答期限で、応じない場合、一部遺族は法的手続きを検討する。
 岩手県庁で記者会見した遺族代理人の吉江暢洋弁護士は「避難準備情報が発令されていたのに、法人は入所者を漫然と留め置いた。法人は弔慰金を支払うとしているが法的責任はないと主張しており、到底納得できない」と指摘した。
 緑川会は昨年10月、遺族向け説明会を開いたものの所長は入院中で欠席。遺族は再度の説明会開催を求めたが、実現していない。
 避難計画については「水害に備えたものは策定しておらず、要配慮者の避難を始めるという避難準備情報の意味も理解していなかった」と強調した。
 慰霊碑は一周忌となる30日までに建立するとしていたが延期した。遺族の反発を考慮したとみられる。
 入所していた母チヤさん=当時(95)=を亡くした埼玉県の写真家八重樫信之さん(73)は「法人の対応は初めから誠実でなく納得できない。慰霊碑建設には賛成だが、遺族の気持ちを酌んでほしい」と述べた。
 遺族の要求に関して、緑川会は「取材には答えない」としている。


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2017年08月30日水曜日


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