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<仙フィル>指揮者一新 常任に飯守氏、高関氏も起用 18年度体制

飯守泰次郎さん
高関健さん
角田鋼亮さん

 仙台フィルハーモニー管弦楽団は30日までに、2018年度に指揮者体制を一新することを決めた。常任指揮者のパスカル・ベロさん(58)と、首席客演指揮者の小泉和裕さん(67)が17年度末で退任。新たな常任指揮者に飯守泰次郎さん(76)、レジデント・コンダクターに高関健さん(62)、指揮者に角田鋼亮(つのだこうすけ)さん(36)を迎える。常任指揮者の交代は12年ぶり。
 飯守さんは、新国立劇場オペラ部門芸術監督や関西フィルハーモニー管弦楽団桂冠名誉指揮者などを務める日本音楽界の重鎮。ドイツの歌劇場などでも長く活動、ドイツ・オーストリア音楽の演奏で評価が高い。
 高関さんは群馬交響楽団音楽監督などを歴任。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の常任指揮者、東京芸大教授を務める。レジデント・コンダクターは仙台フィルが初めて設けるポストで、今後の企画作りなどにも関わる。
 角田さんは大阪フィルハーモニー交響楽団指揮者。オペラ、バレエ、ミュージカルでも幅広く活躍する若手指揮者だ。
 仙台フィルは「確固たるスタイルを持つ大家、経験豊富なベテランに若手を加え、成長過程にある楽団として、バランスの良い体制ができた」と話している。
 ベロさん、小泉さんはいずれも2006年4月に就任した。ベロさんはフランス人指揮者ならではの音色感とリズム感を生かし、仙台フィルの緻密なアンサンブル構築などに大きく貢献。小泉さんもドイツものを中心に、正統的な解釈で演奏の底上げに尽力した。
 共に聴衆の高い支持を得ているが、任期が長期に及んだこともあり、次の一歩を踏み出す選択をした。

◎変革への姿聴衆に訴え

 【解説】仙台フィルが指揮者体制一新を決断した背景には、変革に取り組む姿勢を前面に出し、聴衆に存在感をアピールしようという強い思いがある。
 パスカル・ベロさんは長年にわたって繊細な表現力や音色に磨きをかけ、楽団を大きく成長させた。フランス音楽に加え、ロシアの近現代音楽、アメリカ音楽にも力を入れ、レパートリーの拡大に貢献した。
 楽団員との関係は良好で、退任を惜しむ声は強い。ただ、オーケストラは常に変化、向上し続ける必要がある。集客が近年、伸び悩んでいることも、体制一新に踏み切る一因となった。
 飯守泰次郎さんを起用したのは、ドイツ・オーストリア音楽への取り組みを強化する狙いがある。実績は申し分ないが、76歳という高齢で他のポストも抱える。高関健さんとの役割分担が、どこまで機能するかがポイントになるだろう。
 期待する声が多い音楽監督の設置は今回も見送られた。新体制で楽団の方向性を明確に打ち出せるかどうかも問われている。(生活文化部・須永誠)


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2017年08月31日木曜日


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