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<杜の都のチャレン人>隠された歴史身近に

夏祭り会場で、子どもたちに手裏剣の投げ方を手ほどきする蒼月さん(右から2人目)

◎宮城を盛り上げる忍者集団率いる 蒼月さん(57)

 手作りのはんてん風衣装を羽織り、脚には黒いレザーのすね当て(脛巾(はばき))が欠かせない。宮城県内のイベント会場に参上し、子どもたちや外国人らに吹き矢や手裏剣投げを手ほどきする。
 「東北にも忍者はきっといたはず。伊達政宗が創設したと伝わる忍び衆『黒脛巾組(くろはばきぐみ)』のことを広く紹介し、地元を盛り上げていきたい」。2月に歴史好きの友人らと「伊達忍者 一の草」を結成し、代表として奮闘する。
 黒脛巾組が実在したか否かについては諸説ある。「戦国時代、忍者は隠された存在だった。だからこそ、政宗の時代の文献には出てこないのです」と力を込める。
 2014年秋から半年間、仙台市地下鉄東西線の沿線地域を盛り上げる人材養成講座を受講した。講座修了後、宮城の歴史を学んでまちづくりのヒントを探そうと、NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」のDVDを借り、全巻鑑賞した。ドラマには諜報(ちょうほう)活動する黒脛巾組も登場した。
 「着物や甲冑(かっちゅう)姿で活動する市民グループは県内にたくさんある。忍者が足りない」。そう思い立ち、図書館に通って文献を読みあさり、一の草の構想を温めた。
 昨年11月には三重県伊賀市を訪れ、観光協会職員や忍者サークル「伊賀之忍砦(いがのしのびとりで)」のメンバーから地域おこしの指南を受けた。「東京で伊賀の物産展を開き忍者の格好で観光PRもするなど、いろんな方法を知り刺激になりました」
 一の草の忍者はまだ7人ほどだが、仙台城跡周辺の街歩きツアーや、和菓子職人とのトークイベントを行うなど活動の幅は広がっている。地道な営業が実り、秋には白石市の鬼小十郎まつりなど大型催事への出店も決まった。
 「東京五輪がある3年後には、『伊達家に忍者がいた』と市民の間で当たり前に話されるくらいに身近な存在になっていきたい」。多忙は覚悟している。(智)

<そうげつ> 本名・大沢美樹子。60年湯沢市生まれ。旧東北電子計算機専門学校(仙台市)卒。IT関連会社勤務。まちづくり仲間らと共に、夫の転勤で仙台に来た女性向けの「仙台転妻カフェ」を開いている。泉区在住。


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2017年09月02日土曜日


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