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<小野寺防衛相再登板>対北朝鮮緊張の1カ月 日報対応に批判も

 小野寺五典防衛相(衆院宮城6区)は3日で就任から1カ月となる。この間、北朝鮮の弾道ミサイル発射や南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽(いんぺい)問題への対応に追われた。約3年ぶりの再登板は、間断なく手腕が問われる緊迫した状況下だ。一方で野党からは、日報問題の真相解明に向けた再調査を拒んだ姿勢に批判が上がる。(東京支社・小木曽崇)

<疑惑再調査拒む>
 就任間もない8月10日、小野寺氏は衆参両院の閉会中審査で神妙な表情を見せた。日報問題で、稲田朋美前防衛相と幹部2人が辞任した混乱を陳謝。特別防衛監察の結果では稲田氏が隠蔽に関与したかどうか不明だったが、小野寺氏は稲田氏の参考人招致や再調査に応じなかった。
 質問した民進党の升田世喜男氏(衆院比例東北)は「言葉遣いや物腰から非常に丁寧に見えるが、中身が伴っていない」と述べ、疑惑封じとの見方を示す。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の新型輸送機オスプレイが8月上旬にオーストラリア沖で墜落した事故では、6日後に飛行再開を容認。升田氏は「沖縄県民の感情を考慮すれば、もう少し時間をかけるべきだった」と批判する。
 ただ、防衛政策への精通ぶりや組織掌握に対する評価は安定している。
 小野寺氏は8月23日、日本海で警戒中のイージス艦を視察した。元陸将の山口昇国際大教授は「前回在任時もつぶさに自衛隊部隊を視察し、集団的自衛権行使を巡る政策形成に関わった。存在感は大きい。日報問題で低下した士気を取り戻せる」と話す。

<迎撃に踏み込む>
 安保政策では早速、閉会中審査で踏み込んだ発言があった。北朝鮮によるグアム沖へのミサイル発射を念頭に集団的自衛権が行使可能な存立危機事態=?=の認定もあり得るとし、迎撃の可能性に言及した。
 一部の識者は発言を問題視しており、小野寺氏は「個別事案ではなく、一般的な説明として話した」としたたかに予防線を張る。
 米ワシントンで8月中旬にあった日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)では地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」の導入を表明した。
 神保謙慶大准教授(安全保障学)は北朝鮮が8月29日に北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射したことを踏まえ「今の防衛態勢で対応できなくなってきた。地上で広範囲をカバーする迎撃システムの追加は合理的だ。軍事圧力と外交努力で日米が歩調を合わせるのが大事」と指摘する。
 北朝鮮情勢は緊張が続き、圧力強化を巡る日米間の調整も活発化している。小野寺氏は「警戒に全力を挙げ、平和の確保に万全を期す」と強調する。


[存立危機事態]自衛隊による集団的自衛権行使の前提となる事態の呼称。安全保障関連法は「密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」と定義する。


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2017年09月03日日曜日


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