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被災者の言葉を歌う 東京のバンドが公演で思い代弁

被災者のメッセージを楽曲にして歌う池田さん(右)=宮城県石巻市

 東日本大震災の被災者や遺族らから詩を募って楽曲にし、被災地でコンサートを開くグループがある。住民らの言葉を優しいメロディーに包み、音楽で被災地を励まし続けている。「詩を歌にして残すことで、気持ちや思い出、記憶は風化しない」と、活動を長く継続していくという。

 グループは、ジャズピアニスト池田公生さん(57)=東京都町田市=が率いる5人組ボーカルバンド「池田公生&お洒落倶楽部(しゃれくらぶ)」。
 石巻市の飲食店で8月19、20の両日、被災者らの言葉に曲を付けた歌のほか、童謡やポップスを披露した。津波で亡くなった父の思い出を詩に託した東松島市の女性の歌、家族の行方が分からない陸前高田市の住民が「もっとたくさん話をしたい」と願う歌…。悲しみや後悔、希望などさまざまな思いがこもった曲に、涙ぐむ参加者もいた。
 参加者の一人、石巻市の介護福祉士阿部智江さん(39)は震災後、ボランティアで千葉県から石巻に通い、昨年7月に漁師と結婚して石巻に移住した。
 <皆さんの優しさ強さに愛と勇気をもらいました><これからは私もここで生きていく>。今年3月に書いた詩が歌となった。阿部さんは「石巻にはすてきな人たちがいることを多くの方々に知ってほしかった」と話す。
 池田さんは震災後の2011年6月ごろ、仙台市の男性から「元気の出るような曲にしてください」と詩をもらった。被災地で演奏すると反響があり、被災者らからメッセージが届くようになった。
 これまで作った歌は50曲以上に上る。池田さんは「本人にしか表現できない気持ちを歌で届けたい」と言う。宮城、岩手、福島の被災地で「音モダチプロジェクト」として100回以上の演奏活動を続けている。
 池田さんは音楽教育施設「国立(くにたち)音楽院」(東京)の講師で、音楽による社会貢献を目指すNPO法人「夢のはな奏であい」代表。連絡先は03(3714)6063。


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2017年09月03日日曜日


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