宮城のニュース

<ほっとタイム>津波耐えた夫婦の宝

色紙と写真を手に、思い出を語り合う浜口さん夫妻

◎気仙沼ロケ映画仲代さんの色紙

 手に取ると、銀幕の思い出が鮮やかによみがえる。東日本大震災の津波に耐えた色紙と写真。宮城県気仙沼市鹿折地区で被災し、仙台市泉区に移り住んだ浜口正弘さん(64)、富佐子さん(65)夫妻の大切な宝物だ。
 気仙沼市などが主なロケ地となり、2010年に公開された映画「春との旅」。仲代達矢さん演じる元漁師が孫娘を連れ、疎遠だった兄弟を訪ねる物語だ。
 身近な風景が映画の舞台になる。心躍らせ、ロケを見た。自宅と棟続きのアパートを撮影場所に提供した縁で仲代さん直筆の色紙をもらい、上映会後には一緒に写真を撮影。最高の思い出となった。
 11年の震災で地域は壊滅的な被害を受けた。途方に暮れながら自宅周辺を片付けている時、色紙と写真が奇跡的に見つかった。「懐かしい風景は、映画の中にちゃんと生きている」
 復旧に追われた日々も、故郷を離れた今も、色紙と写真はずっと心の支えだ。「いつか仲代さんと再会できたら」。浜口さん夫妻はひそかに夢見ている。(報道部・菊池春子)


関連ページ: 宮城 社会

2017年09月03日日曜日


先頭に戻る