宮城のニュース

<新幹線>高速化で騒音や振動が悪化?JR東に住民が減速求める

宮城県と大崎市が8月28日に実施した新幹線の騒音・振動調査

 宮城県大崎市古川の東北新幹線沿線の住民が、JR東日本に新幹線の減速を求めている。スピードアップに伴い、騒音や振動が悪化したと主張。住民は高速交通網整備の意義を理解しつつ、「生活に支障を来すようになった」と窮状を訴えている。
 減速を望むのは、古川駅に近い同市古川江合錦町の住民約70世帯。新幹線が時速320キロで通過する一帯で、住民の要請を受けた宮城県と市が騒音・振動調査を実施している。8月28日は新幹線高架から約4メートルの民家で調査があった。低周波を含む測定結果が出るのに約2カ月かかるという。
 住人の女性(65)は「家が苦痛の場所になった」と嘆く。走行のたびに地響きのような音がし、卓上のコップの水が大きく揺れる。特にひどく感じるのが、夜の下りだ。
 土地を求めたのは1990年。女性は「『新幹線のそばと知って住んだのだろう』と言われるが、以前はひどくなかった」と説明する。3年前のダイヤ改正後に悪化したという。
 2013年3月のダイヤ改正で、東北新幹線のE5系はやぶさの最高速度は時速300キロから320キロに引き上げられた。14年3月の改正では、はやぶさと秋田新幹線のE6系こまちの連結による320キロ運行が開始。17両編成で車両数が多く、速度も速い。
 県の調査は表の通り。江合錦町に近い市内の観測地点の騒音はここ10年、常に70デシベルを超え、改正後に一部悪化が見られた。
 住民側は、古川駅の工事で200キロに減速した際も混乱がなかったと指摘。(1)騒音は環境基準の70デシベル以下(2)振動は振動規制法の住宅地夜間基準の55デシベル以下−をJR東に要求し、これが実現できる200キロ以下での走行を求めている。
 ただ、新幹線は通常の発生要因に比べて国の規制が緩く、(1)騒音は居住地で70デシベル以下、商業地で75デシベル以下(2)鉄道の振動は振動規制法の対象外で指針値は70デシベル−との目安が示されている。
 住民側の代表世話人、大友次則さん(65)は「320キロを導入したダイヤ改正は、騒音などを悪化させない『現状非悪化』の原則に反する」と主張し、減速を求める。住民からは「数分の時間短縮のために苦しむ人がいることを知ってほしい」との声が上がる。
 JR側は「音源対策だけで70デシベル以下の騒音の環境基準をクリアするのは困難」とし、75デシベルを当面の目標とする方針。住民の訴えには、「騒音を抑制する車両の導入や、レールを滑らかにする対策などを施している。スピードダウンは、高速大量輸送という新幹線の社会的ニーズを大きく損なう」と減速運行の考えはないとしている。


関連ページ: 宮城 社会

2017年09月05日火曜日


先頭に戻る