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めくるめく磐井の歴史「紙芝居」に 郷土史家ら制作

全12話の歴史紙芝居と伊藤良治さん

 岩手県南の磐井地方の歴史をテーマにした紙芝居が、郷土史の学習に最適だと一関市内の図書館などで好評を博している。地元の郷土史家らが制作した「いわい歴史ものがたり」シリーズで、先人が歩んだ繁栄と悲運の歴史を分かりやすく伝える。

 郷土史家らでつくる「みちのく中央磐井市民会議」が2010年に出版を始め、昨年に全12巻で完結した。1巻で1話を取り上げている。地元企業の支援を受けて各巻60部を作り、一関市内の図書館や中学校に配布した。
 地域の歴史や文化にまつわるエピソードを収録。奥州藤原氏や一関藩の名医建部清庵といった歴史上の人物のほか、一関市花泉町の貝鳥貝塚、岩手、宮城県境で所在地が特定されていない覚〓(かくべつ)城の謎、一関市舞川地区発祥の刀剣・舞草刀(もくさとう)などを取り上げた。
 全体の監修は、宮沢賢治研究家として知られる市民会議事務局長の伊藤良治さん(88)=一関市=が手掛けた。平成の大合併による新一関市誕生をきっかけに「地域史という宝を形に残し、『磐井おこし』につなげたかった」と語る。
 一関市の郷土史漫画家伊藤満さん(56)が協力し、史実に基づく分かりやすいストーリーと豪華な作画に仕上げた。
 良治さんにとって、第9話「平泉武士道」が印象深いという。藤原氏の家臣・由利八郎は源氏の侵攻で生け捕りになったが、誇り高い態度に感銘を受けた頼朝が家来に迎える。一武将が見せた中央政権に屈しない強さと、人材供給地とされてきた東北を物語る逸話だ。
 良治さんは「磐井の歴史から東北と日本が見えてくる。紙芝居で知ったことを大人になって深めてくれればうれしい」と話す。

(注)〓は瞥の目が魚


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2017年09月06日水曜日


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