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<秋田大>メダカ精原細胞凍結成功 クニマス保存応用へ

凍結保存した細胞から誕生したメダカについて説明する関助教
母体である黄色のヒメダカから生まれた黒っぽい「東京めだか」の稚魚

 秋田大や東京海洋大などの研究グループは、メダカの精原細胞を凍結保存させ、別種の魚体に移植して精子と卵子をつくり、元のメダカと同種の子を誕生させることに成功した。精原細胞は精子や卵子の基になる細胞で、数千年間凍結保存できるとしている。グループは、絶滅危惧種のメダカや、一時は絶滅したとされたクニマスの種の保存に応用できるとして研究を進めている。

 研究は、秋田市の秋田大バイオサイエンス教育・研究サポートセンターの関信輔助教(低温生物学)が、ヤマメの体内でニジマスの精子や卵をつくる技術を実現した東京海洋大の吉崎悟郎教授(魚類発生工学)らと2011年度から取り組んだ。
 魚の卵子や受精卵は体積が大きく、脂肪分も多いために凍結保存が難しい。関助教は、小さくて雌に移植すれば卵子にもなる精原細胞に着目し、瞬間凍結させる方法を開発した。
 実験では、マイナス196度の液体窒素で凍結させた絶滅危惧種「東京めだか」や産卵数が少ない「ダルマメダカ」の精原細胞を、産卵数の多いヒメダカの雄と雌の稚魚に移植。稚魚は、受精卵段階でお湯に漬けられ精子や卵子をつくる機能を失ってふ化した個体を用いる。成長後は自然交配で、移植した種類のメダカが生まれた。
 関助教は「異なる遺伝子を持つメダカの交配が進むと、固有種の保存が難しくなる。凍結法により、生態系の変化などに左右されずに絶滅を回避できる」と利点を挙げる。
 種の保存を目指す取り組みは、仙北市の田沢湖の固有種であり、山梨県富士河口湖町の西湖で約70年ぶりに発見された淡水魚クニマスで始まっている。
 吉崎教授は12年度、山梨県水産技術センター(甲斐市)と連携し、クニマスの精原細胞の凍結保存に着手した。細胞を移植した別種の魚からクニマスを誕生させる技術の確立を目指している。
 吉崎教授は「凍結法により、他種の魚で代理出産させることが可能になる。絶滅危惧種の保護や養殖などの分野で貢献できる」と強調する。


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2017年09月06日水曜日


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