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祈りの貝殻、被災地からスペインへ 巡礼の道で配布

復興を願う文章が書かれた貝殻を手にする各国の巡礼者たち(長沢さん提供)

 東日本大震災で被災した気仙沼市の海岸で集めたホタテ貝の殻を、初夏にスペインの巡礼路を自転車で旅した日本のグループが世界各国の巡礼者に手渡し、被災地の現状を伝えた。巡礼者たちは漢字などが書かれた貝殻に興味を持つとともに、被災地の一日も早い復興を祈った。

 自転車の旅には東京都国立市のフリーライター長沢法隆さん(63)ら首都圏の60〜70代の11人が参加。5月末から6月中旬まで、聖ヤコブ(使徒大ヤコブ)ゆかりのキリスト教巡礼路として知られるスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラへの道を約750キロたどり、巡礼者に貝殻70枚を配った。
 ホタテ貝は聖ヤコブを象徴し、巡礼者はその貝殻を身に着けて旅をするのが習わし。長沢さんらの取り組みは被災地の貝殻を手渡して震災の惨状を伝えるとともに、復興を祈ってもらうのが狙いだ。
 貝殻は2016年晩秋、長沢さんらが支倉常長と慶長遣欧使節の調査のため、気仙沼市から石巻市までを自転車で走った際に集めた。旅の参加者が英語で「ファイト・フクシマ・トーホク・ジャパン」や、日本語で「がんばれ東北」「愛」などと書いた。
 長沢さんは震災後、各国の市民から激励メッセージを預かり、気仙沼の小学校で夢を持つことの大切さについて講演するなど被災地を応援している。
 今回のツアー中、長沢さんはマドリードで震災写真展を開くとともに講演し、震災の実情を訴えた。
 長沢さんは「皆さん、喜んで受け取ってくれた。『津波』『福島』は知っていても欧州にはあまり日本のニュースは伝わっておらず、被災状況や復興の様子に関心を寄せてもらえたようだ」と話した。


2017年09月07日木曜日


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