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<週刊せんだい>学都に技あり 専門学校(1)英語や接客 実践力養う

旅行会社の受付カウンターを模した実習室。生徒同士で接客のロールプレーイングを繰り返し、就職試験に備える=仙台市青葉区五橋2丁目の東北外語観光専門学校
仙台YMCA国際ホテル製菓専門学校の生徒たちがまとめた一流ホテルでの長期実習のリポート
フロントで先輩と打ち合わせする田中さん(左)=ホテルメトロポリタン仙台イースト

 週刊せんだいの9月のテーマは「学都に技あり 専門学校」です。夏休み期間中、これからの進路や将来の夢について考えた中学生や高校生の皆さんはたくさんいることでしょう。
 宮城県内には東北で最も多い約80の専門学校があり、東北6県から集った約1万7000人の若者らが目標に向かって知識や技術を学んでいます。その大半が立地する仙台市内で、各校が展開するユニークなカリキュラムなどを業種別に紹介します。
 憧れの職業に就き、活躍する卒業生たちの仕事現場も訪問しました。

◎観光関連 訪日客増高まるニーズ/ホテルで有給実習も

<少人数授業を徹底>
 世界地図を背景に旅行パンフレットが並ぶカウンターや、航空機のビジネスクラスを再現した機内サービス実習室。「現場同様の実習施設を生かして、国際舞台で活躍できる即戦力を育てるのが理想」。英語科、エアライン科、トラベル科がある東北外語観光専門学校(青葉区五橋)の佐藤学広報課長(45)は、校舎内を案内しながら力を込める。
 政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年の訪日外国人客を、4000万人にまで伸ばす目標を掲げる。観光関連業界では、若手人材のニーズが高まる一方だ。
 同校の前身は、1946年11月開校の東北外国語学校。戦後間もなく、「将来の国際用語である英語を話せる若者を育成しよう」と、詩人土井晩翠らが創設に尽力したという。
 特に実践的な英語教育に力を注ぐ。3科を合わせた1学年計約120人をレベル別に6クラスに分け少人数授業を徹底。佐藤課長は「英検準1級を持つ子も、一から学び直したい子も、それぞれが意欲的に学べる仕組みだ」と語る。老舗として毎年、航空会社や旅行代理店などへの就職実績を出しているほか、国立大に編入する生徒もいる。全体の就職率はほぼ100%となっている。

<デュアルシステム>
 青葉区立町の仙台YMCA国際ホテル製菓専門学校は、座学と長期の職場実習を並行して行う「デュアルシステム」の先進校としてホテル業界に知られる。ホテル科と国際おもてなし科は夏期と冬・春期にホテルでの有給実習が必修となっている。
 同校は88年4月の開校時から有給での実習を取り入れており、生徒の受け入れ先は宮城県内をはじめ東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)の提携ホテルなど全国に広がる。
 「重い責任を伴う現場に出せるだけの人材にきちんと育っていると、自信を持って送り出している」と加藤雄一校長(54)は胸を張る。
 1年生は夏期実習開始までの期間内に、学内のテーブルサービスの実技試験に合格することが課せられている。今年の7〜8月も、約20人が首都圏や長野県軽井沢町などの一流ホテルで8週間、実習に励んだ。
 ホテリエを目指す学校ならではの珍しい課外活動も盛んだ。ホテル科2年野倉緑さん(19)は、グラスやボトルを曲芸のように扱いながらカクテルを作るフレア・バーテンディングのサークルに所属する。6月、リゾートホテルを展開する名古屋市の大手企業から内定を得た。「就職後もきっと、パフォーマンスを披露する機会があると思う。もっと腕を磨きたい」と目を輝かせる。

◆◆OB・OG訪問

 仙台の専門学校を卒業し、社会で活躍するOB・OGの仕事現場を訪ねます。

◎テキスト今も読み返す/ホテル勤務・田中綾華さん(21)

 毎日のように外国人の宿泊客をフロントで出迎える。米国や中国、台湾などからが特に多い。外国人には基本的に英語でチェックイン・アウトの応対をする。
 「よりうまくご案内できるよう、学校で使っていた英語のテキストを今も読み返していますよ」。JR仙台駅東口のホテルメトロポリタン仙台イーストに勤務する田中綾華さん(21)は、日々勉強を欠かさない。
 郡山市出身。2016年春、仙台YMCA国際ホテル製菓専門学校を卒業し同ホテルを運営するJR東日本グループの仙台ターミナルビル(青葉区)に入社した。ホテルは6月に開業したばかり。フロント対応や電話での予約受け付けなど宿泊業務全般を担当する。
 中学生の頃、ブライダルプランナーの仕事に憧れた。専門学校時代は、卒業前の一大行事「模擬披露宴」で企画担当者の一人を務めたことが1番の思い出だ。「もっと経験を積んで、いつかブライダル部門でも働いてみたい」と笑う。
 同ホテルのフロント副支配人で母校の先輩でもある遠藤広貴さん(30)は「彼女は2年目とは思えないほどいつも冷静。女性が多い職場なので、みんなを引っ張るリーダー的存在になってほしい」と期待する。


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2017年09月07日木曜日


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