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<Eカルテ>佐々木信行/臨機応変な作戦必要

 東北楽天は5日の日本ハム戦に勝って、チームワースト記録の11連敗は避けられた。とはいえ10連敗中の戦い方を見ると、攻撃の仕方に疑問を感じた。8−8で引き分けた8月30日の西武戦を除けば、10連敗中は合計17得点だ。打線全体が調子が悪い中、良くても3割程度の確率でしか出ない安打を当てにし続けた印象だ。ギャンブル性のある強行策にこだわらず、状況に応じて確率の高い攻撃をしてほしかった。
 例えば31日の西武戦、1−5で迎えた五回だ。今季苦しめられ続けている菊池(岩手・花巻東高出)が先頭の島内、続く中川に対してボール球を連発して2者連続四球を出した。その無死一、二塁、打席の細川は2ボールから強行策のバスターを仕掛けた。
 確かにバスターが決まれば一気にチャンスを拡大できる。ボール球を打った結果はファウルだった。菊池が制球に苦しんでいたのだから、しっかり選球させていればもうひとつ四球をもらって、無死満塁にできたかもしれない。最終的に犠打で1死二、三塁にはしたのはよかったが、代打アマダーの内野ゴロによる1点で終わった。
 挙げれば切りがないが似たような場面は目立った。岸が投げて敗れた9月1日のソフトバンク戦、2点を追う九回でも無死一、二塁から枡田に強行策をさせ、同点機を逸した。3日のソフトバンク戦も三回無死二塁の先制機に8番内田に安打を期待したが、凡退した。エース則本が投げていたわけだし、犠打で1死三塁とした後に犠飛を狙うような手堅い攻めで先制点を得たかった。
 今季はバントをしない強打の2番としてペゲーロを起用するなど攻撃重視を貫いてきた。それだけに、打線が低調だからといって急に犠打を多用するような戦いにシフトすることは、首脳陣にも難しさがあったと察する。ただ調子がもう少し上向くまでは、臨機応変に細かい作戦を駆使して戦っていく必要がある。得点力に不安が残る分、守備で余計な失点を防ぎたい。特に一塁手を固定して、内野守備の安定を図りたい。
 自力優勝の可能性は消えてしまったが、まだ2位は十分に狙える。チームはどん底の状態を脱しつつあり、調子も上がっていけば再び勢いを取り戻すだろう。(プロ野球解説者、東北工大野球部ヘッドコーチ)


2017年09月07日木曜日


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