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心に残る閖上 壁画に 名取の障害者ら震災がれきで制作

やすりを使って雄勝石の角を削る利用者ら

 東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上地区で拾い集めたがれきを使い、震災前の同地区の風景を壁画として残そうというプロジェクトが、同市の障害者就労支援施設「みのり園」で進められている。壁画は市が2019年度末までに同地区に造る六つの公園に掲げる予定で、みのり園の利用者は「壁画で大勢の人を笑顔にしたい」と張り切っている。
 壁画は縦0.9メートル、横1.8メートルで、6作品を制作する。閖上地区にあった瓦やタイルといったがれきに加え、石巻市雄勝地区特産の雄勝石を利用、「なとり百選」に選ばれた閖上地区の松林などをモチーフに震災前の景色を描く。下絵は園の運営法人が雄勝石作家の斎藤玄昌実(げんしょうじつ)さんに依頼した。
 下絵完成後は、下絵に沿って同じ色合いのがれきと雄勝石を並べ壁画にする。みのり園の利用者は7月末までに、閖上地区でさまざまな色の瓦やタイルを段ボールで10箱分収集。現在は雄勝石の角を、やすりを使って丸める作業に当たっており、雄勝石の色付けも担う予定だ。
 運営法人は震災の津波で沿岸部にあった施設に壊滅的な被害を受けた。何らかの形で復興に関わりつつ、施設利用者のやる気や満足感につなげたいと考え、市にがれきを使ったデザイン制作を提案。市は新たに整備する閖上地区の公園に壁画として配置することを決め、3カ年の計画で年に2作品ずつ仕上げてもらうことにした。
 利用者の今野顕彦さん(24)は「頑張ってがれきをいっぱい拾った。いい壁画を作りたい」と意欲満々。同じく渡辺正浩さん(43)も「角を丸めるのが難しいが、見る人が喜ぶような壁画にしたい」と意気込んでいる。


2017年09月09日土曜日


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