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原発事故から6年半 溶融燃料取り出しへ一歩

 東京電力福島第1原発事故は11日、発生から6年半を迎えた。第1原発の廃炉で最難関となる1〜3号機からの溶融燃料(燃料デブリ)取り出しに向けては7月、3号機の格納容器内部調査で、溶融燃料の可能性がある塊を映像で初めて捉えた。格納容器に水を満たさない「気中工法」を軸とする方針も固まったが、目標とする4年後の取り出し開始は予断を許さない状況だ。

 3号機の調査は水中遊泳型ロボットを使った。原子炉圧力容器の真下で、溶融燃料の可能性がある複数の物体を撮影。崩れ落ちた作業用足場が堆積物に埋まるなど、炉心溶融(メルトダウン)による損傷の激しさも見て取れた。
 2021年の溶融燃料取り出しへの一歩となったが、硬さや放射線量、具体的な分布状況などは依然不明。今年1〜3月に調査した1、2号機は、自走式ロボットが立ち往生するなどして溶融燃料の直接の確認ができていない。
 国や東電に技術的に助言する原子力損害賠償・廃炉等支援機構は8月、格納容器を水で満たさない「気中工法」で側面から底部の溶融燃料を回収する方法を提案した。
 圧力容器を突き抜けた溶融燃料の取り出しは世界でも前例がなく、気中工法の採用も初めて。放射性物質の飛散を防ぐ機器類の開発など課題は山積している。
 一方、汚染水対策は、1〜4号機建屋の地下に氷の壁を造る「凍土遮水壁」の完全凍結が8月下旬に始まった。建屋周辺の井戸「サブドレン」からのくみ上げも含め、かつて1日400トンに上った汚染水発生量が100トン以下に抑えられる見通しになった。
 ただ、多核種除去設備「ALPS」で浄化しても放射性物質のトリチウムは残り、タンクにため続ける状況に変わりはない。6月に就任した東電の川村隆会長が処理を巡り「(海洋放出の)判断はもうしている」と発言。地元漁業者らが抗議する事態に発展した。
 内堀雅雄福島県知事は11日の定例記者会見で、「廃炉工程の進展は、風評の問題も含め、県全体の復興に大きな影響を及ぼす。廃炉を前に進める強い決意で取り組んでほしい」と国と東電に求めた。


2017年09月12日火曜日


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