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<大川小訴訟>市教委幹部ら尋問へ 震災前の学校防災の是非が焦点

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が、市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第5回口頭弁論が14日、仙台高裁であり、小川浩裁判長が当時の市教委幹部ら4人の尋問を行うことを決めた。10月12日と11月14日に実施する。震災当時、学校にいた11人の教職員のうち唯一生還した男性教務主任の採否については判断を示さなかった。
 控訴審は、震災前の学校防災の是非が焦点。当時の市教委職員への尋問は仙台地裁の審理を含め初めてで、危機管理マニュアル作成など事前防災に関して尋ねる見通し。震災当時の大川小校長や大川中の幹部職員にも、事前の備えや津波に対する認識を聴く。
 双方の代理人によると、高裁は弁論後の非公開協議で「合議の結果、(当時の市教委幹部ら)4人を採用する」と説明。遺族側は教務主任の尋問を強く求めたが、市・県側は「重度の慢性うつ病」とする主治医の意見書を提出し、反対した。
 10月4日の現地視察では、校庭から津波襲来直前に向かったとされる北上川堤防付近(三角地帯、標高約7メートル)を経て、遺族側がマニュアルに避難先として明記すべきだったと主張する、さらに約500メートル先の林道入り口付近までを徒歩で確かめることが決まった。
 地裁が「避難できた」と指摘した大川小の約140メートル先にある裏山は視察しない。一審で十分確認したと判断したとみられる。
 市・県側は、津波浸水予想区域外にあった市内22の小中学校のうち、マニュアルに津波避難先を明記していたのは大川小より海側の5校にとどまると言及。「大川小のマニュアルに不備があったとは言えない」と強調した。
 地裁は昨年10月、教員らは津波の襲来を約7分前までに予見できたと認定。学校の過失を認め、計約14億2660万円の賠償を命じた。大川小では児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明になった。


2017年09月15日金曜日


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