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<北ミサイル>「漁場なくなる」東北の漁業関係者 憤りと無力感

Jアラート発令を受け、カツオの入札を一時中断するなど対応に追われた気仙沼市魚市場=15日午前7時55分ごろ

 北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過した15日、多くの漁船が操業する北海道から東北にかけての海は再び緊迫した。8月29日の発射からわずか17日。「できることは何もない」「漁場がなくなる」。度重なる暴挙に、東北の漁業関係者の間で憤りと無力感が広がった。

 八戸漁業用海岸局(八戸市)では、当直の職員らが安否確認を急ぎ、太平洋と日本海で操業する全44隻の無事を確かめた。二部勝幸局長は安堵(あんど)しながら「今まで以上に緊張感を持って対応しなければいけない」と気を引き締めた。
 ただ、逃げ場のない海上で働く漁業者にとって不安は切実さを増す。気仙沼漁港(気仙沼市)で水揚げ作業中だったカツオ一本釣り船「第18清福丸」の水谷数也漁労長(53)=三重県=は「ミサイルは避けようがなく、みんな不安を感じている」と唇をかむ。
 一方、対応には無力感も漂う。釜石東部漁協(釜石市)の佐々木哲也参事は「詳細な落下地点が発表されるわけでもなく、できることは何もない」とこぼす。重茂漁協(宮古市)の前川清参事は「不安だが、無事を祈るほかに対処のしようがない。早く日朝関係を改善してほしい」と話した。
 宮城県漁協の担当者は「漁船に注意を呼び掛けても、『どう気を付ければいいのか』と返されると答えられない。正直どうしようもない」と嘆く。秋田県漁協の担当者も「発射が続き、落ち着いて生活できない」と戸惑う。
 一向に終わりが見えない北朝鮮の脅威。北海道小樽市沖で操業する酒田市の中型イカ釣り船「白山丸」船主の斎藤厚さん(62)は「日本海も太平洋も、このままでは操業できる漁場がなくなってしまう。国家レベルで北朝鮮の暴走を止めてもらいたい」と訴えた。


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2017年09月16日土曜日


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