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ホップ担い手育成 確実なステップ 遠野市の事業、本年度4人新規就農

最盛期を迎えた遠野ホップの収穫作業。若手就農者の活躍が期待される

 ビールの原料となるホップ農家の後継者を育成する岩手県遠野市の「ホップ担い手確保ステップアップ事業」が成果を出し始めている。本年度は研修を終えた4人が新規就農した。ホップの栽培面積日本一の遠野が、特産品の生産量確保と定住人口増加の一石二鳥を狙う。
 事業は高齢化や後継者不在で耕作を放棄したホップ畑を農協が管理し、新規就農者に貸し出す仕組み。市は18〜45歳の市民や移住者を対象に最長2年間、家賃や研修費を補助する。
 研修を修了した就農者は3年目に独立する。収穫したホップは契約先のキリンビールが全量買い取るため、就農者自身が販路を開拓する必要はない。
 事業は2015年度に始まり、初年度はスイートコーンなどの野菜栽培を手掛ける「遠野アサヒ農園」が参入に名乗りを上げ、岩手県認定のホップ栽培研修機関として15、16の両年度で計115アールを譲り受けた。
 本年度は、アサヒ農園で研修した盛岡市と埼玉、静岡、奈良の3県の20〜40代男女4人が独立。計280アールの畑で栽培を始めた。
 埼玉県朝霞市から遠野市に移住した阿部太一さん(30)は、15年に市が企画した農業就職イベントをきっかけに会社員からホップ農家に転職を決意。他の新規就農者2人とホップ畑の共同経営を始めた。
 阿部さんは「研修や補助金の支援が充実していたので初心者でも始めやすかった」と話す。会社員時代より収入は減ったものの「都会では味わえない生活ができる。若手農家で地域を盛り上げたい」と意気込む。
 遠野のホップ栽培面積は26.25ヘクタール(16年度)で日本一。生産量も40トン前後で全国有数の規模を誇る。
 市農家支援室の菊池喜彦主査は「農家を辞めたい人と新しく始めたい人のマッチングを適切に行い、スムーズな就農で収穫量減少を食い止めたい」と話す。


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2017年09月19日火曜日


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