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大船渡でCO2観測30年超え アジア最長記録 データは世界で活用

大船渡市にある気象庁の大気環境観測所
観測機器の点検を行う岡嶋さん

 大船渡市三陸町綾里にある気象庁の大気環境観測所での二酸化炭素(CO2)の観測が30年を超えた。アジアで最長の記録となる。大気汚染の実態や長期的変化を調べるため、現在では計9種類もの温室効果ガスを調査。データは世界気象機関を通じて全世界に公開され、気候変動に関する政府間パネルでも活用されている。

◎高精度データ提供続ける

 同観測所の前身に当たる観測所が1976年に酸性雨の分析を開始。地球温暖化が急速に進んだことを受け、87年からCO2の調査を始めた。現在はメタンやフロンなども含め温室効果ガス9種類などを観測する。
 地球全体の温室効果ガスの分布を解明するための観測所の一つで、ユーラシア大陸北部の監視を担う。東日本大震災で一時観測できなくなったが、約2カ月で復旧した。
 長期間にわたり周囲の環境変化が小さい場所が適しているため、観測所は大船渡市中心部から約10キロ離れた小高い山の中腹にあり、周囲に工場や人家が全くない。2002年に数十メートル高い場所に移動したが、大野恭治所長(60)によると、周辺の環境は開設当初からほとんど変わっていないという。
 人里離れた場所にあるため、観測所までは未舗装の山道が続いており、倒木などトラブルが起きれば可能な限り自分たちで対処する必要がある。水道もなく、生活用水はろ過や殺菌などの処理をした沢水を使う。
 厳しい環境だが、今年4月から勤務を始めた岡嶋真吾さん(26)は「先輩に教わりながら頑張っています」と笑顔。大野所長は「これからも高精度で信頼性の高いデータを提供したい」と話している。


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2017年09月20日水曜日


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