宮城のニュース

高校・大学の女性グループ 震災経験語り継ぐ「記憶の風化防ぎたい」

自宅跡地付近で語り部をする高橋さん(左端)ら
自宅跡地付近で語り部をする高橋さつきさん(中央)ら=10日、東松島市大曲浜地区

 東日本大震災で被災した東松島市で、高校、大学生の女性グループが震災経験をひたむきに語り継いでいる。あの日は小学生だった6人が主なメンバー。「今後の減災・防災に生かし、記憶の風化を防ぎたい」。同じ思いでつながる女子が活動を活発化させている。
 語り部グループは「TSUNAGU Teenager Tourguide(TTT)」。メンバーの4人が10日、津波に見舞われた大曲浜地区で、東北文化学園大(仙台市)の学生ら約30人を案内した。
 「周りの全員を大切にしてください」。自宅跡地を背にそう訴えた宮城水産高(石巻市)2年高橋さつきさん(17)の言葉には、切実な思いがこもる。
 2011年3月11日の巨大地震発生時、高橋さんは大曲小4年で学校にいた。迎えに来た両親と言葉を交わした。母親は1カ月後に出産を控えていた。
 「生まれたら大変だから用具とか取ってくるね」「戻んない方がいいって! 絶対危ないから!」「大丈夫だから」。そんなやりとりをして見送った両親と小さな命、祖父は津波で帰らぬ人となった。
 話を聞いた東北文化学園大2年庄子太揮(たいき)さん(19)は、高橋さんの心中を推し量って言う。「家族を亡くした精神的なダメージはどれほど大きいことか。それでも経験を伝えようとする姿にたくましさを感じた」
 TTTは15年5月、震災時に野蒜小6年だった女子高生6人で始動。新たに高橋さんらが加わり、命の尊さなどを宮城県内外で発信する。
 石巻市桜坂高2年武山ひかるさん(16)も大曲小出身。16年夏に活動を始め、日常生活の大切さを呼び掛けてきた。津波で自宅を失いながらも、親友の高橋さんに寄り添う。「さつきの脇で、少しでも支えることができれば」と明かす。
 高橋さんは「大切な人を失い、どうしていいか分からない時にひかるが一緒にいてくれた。そのおかげで今、ガイドができる」と感謝する。
 東北福祉大1年小山綾(りょう)さん(18)はこれまで20回以上、語り部の活動を重ねた。「津波が来た!」という叫び声を聞いて家族で野蒜小校舎へ逃げ込んだ時の恐怖心、幼い妹が階段で足を止め男性に救われた体験、カーテンを引きちぎって毛布代わりにした記憶…。
 小山さんは「一人一人の震災体験を心に留めて、どうしたら災害から命を守れるのか、聞いてくださった人には考えてほしい」と望む。


関連ページ: 宮城 社会

2017年09月21日木曜日


先頭に戻る