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<郡仙台市長就任1カ月>政治家の顔、長短両面 「現場主義」行動力アピール 「野党共闘」足かせも

約100席の本会議場傍聴席に入り切れず、議会棟内の特設会場のテレビモニターで郡市長の所信表明を聞く市民ら=11日

 郡和子仙台市長は22日、就任1カ月となった。民進党衆院議員時代から掲げる「現場主義」を前面に、就任早々市内各地を視察するなど行動力をアピールする。話題性や市民の関心度が高い一方で、7月の市長選で勝利に導いた野党共闘の枠組みが足かせとなる場面も見られる。

<早々に視察>
 河北新報社の取材を基にした郡氏への評価はグラフの通り。
 就任初日の8月22日、郡氏は記者会見で、記録的な長雨の影響を見るため農業現場に赴く考えを表明。5日後に市郊外の圃場を視察した。今月5日には東日本大震災の津波被災地の若林区荒浜を訪ね、復興状況を確認した。
 市役所出身の奥山恵美子前市長と異なり、「外様」の郡氏に身構える職員も多かったが、現在は安堵(あんど)感が広がる。局長の一人は「会議などで和やかな空気をつくるのがうまい。奥山氏とは逆の『職員に支えてもらう』リーダーシップで、市役所内での滑り出しは悪くない」と話す。
 元アナウンサーで人当たりの良いキャラクターを好感する市民も多く、郡氏の市議会デビューとなった9月定例会初日の11日は約200人が傍聴に訪れた。ただ、本会議中に郡氏が傍聴席に向かって会釈するなどの振る舞いが問題視され、斎藤範夫議長から後日、注意される一幕もあった。

<薄い独自色>
 市長選は民進、共産、社民各党が支持した郡氏と自民、公明両党の支持候補が激突。「市長野党」議員が3分の2近くを占めることになった議会に対しては「安全運転」に努める。
 15日の9月定例会代表質疑では、野党議員に「市民のために市政を前へ進める点で、皆さんと目指す方向は異ならない」と訴えた。答弁は基本的に奥山氏の踏襲で独自色はまだ薄い。
 ある市幹部は「共産や社民(の主張)と意図的に距離を置いている感じだ。自民も『意外だ』と驚いているのではないか」と話す。
 野党系市長の誕生で、他市との関係にも変化が生じている。宮城県市長会は8月、奥山氏の後任会長に郡氏を選ばず、仙台市長が会長を務める慣例を破った。東北市長会でも、10月に実施する奥山氏の後任会長選びで「仙台外し」を求める声が出ている。
 衆院議員時代の言動を批判する市議の質問に郡氏が色をなして反論するなど、「野党衆院議員の体質が抜けていない」(自民市議)との指摘もある。奥山氏にはなかった政治家としての側面は、市政に新風と新たな火種を生んでいる。


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2017年09月23日土曜日


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