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<衆院解散表明>「なぜ今」東北から怒りの声 復興先送りに不信感

安倍首相が衆院解散を表明した記者会見のテレビ中継に見入る市民ら=25日午後6時13分、仙台市若林区のケーズデンキ仙台荒井店

 「なぜ今なのか」「大義は」。安倍晋三首相が衆院解散を表明した25日、東北に戸惑いが広がった。東日本大震災の被災地では住まいや商売の再建が道半ば。北朝鮮の脅威など喫緊の課題を押しのけた突然の解散表明は、東北の有権者の目に安倍首相の自己都合とも映り、疑問や怒りの声が相次いだ。

 次の衆院選は震災後、5度目の国政選挙になる。今月、ようやく共同店舗でコロッケ店を再開できた気仙沼市の自営業坂本京子さん(57)は「だんだん被災地の復興が語られなくなってきた」と話し、選挙のたびにかすむ復興の論戦を嘆く。
 震災被災地はその後も自然災害に見舞われた。昨年の台風10号豪雨で自宅が全壊した岩手県岩泉町の無職三浦英幸さん(66)は、仮設住宅での生活が続く。「選挙に使うお金を被災地に回してくれれば生活再建が進むのに」と恨めしそうに語る。
 結果本位をうたい、8月に誕生した「仕事人内閣」は、臨時国会で答弁の機会がなくなる。石巻市の主婦安倍由希子さん(32)は「政治家として本分の仕事をしっかりしてほしい」と注文した。
 政府の看板政策「働き方改革」の関連法案の提出も先送りされる。秋田市の会社員高橋光輝さん(27)は、「やるべき仕事をしない政権に働き方改革と言われても説得力がない」とあきれる。青森市の会社員浜田拓実さん(24)は「争点が明確でない」と戸惑った。
 安倍首相は25日の会見で、北朝鮮の軍事的挑発に対する圧力強化への信任も問いたいと訴えた。だが、福島県富岡町の無職中川佳美さん(30)は選挙による政治空白を懸念。「Jアラート(全国瞬時警報システム)が鳴るたびに4歳の長男が不安がる。解散している場合ではないのではないか」と憤る。
 森友、加計(かけ)学園問題の説明不足を指摘する声も聞かれた。盛岡市の主婦薄衣誠子さん(65)は「疑惑を隠そうとしているのではないか。(解散は)ひきょうなやり方で賛同できない」と批判した。
 山形県ではコメの収穫期を迎え、繁忙期は投開票予定日(10月22日)ごろまで続く。新庄市の農家小嶋健一さん(64)は「コメの実入りがいまひとつ。選挙よりも出来が気になる」と話した。


2017年09月26日火曜日


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