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<みんなの国体>「えひめ」30日開幕 (上)相撲 練習量の差仕事で補う

子牛の登記作業に汗を流す佐藤さん
国体に向けて練習に励む

◎栗っこ農協畜産センター職員 佐藤成朗(なりあき)さん(23)=宮城=

 「愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」が30日、愛媛県で開幕する。国体は「国民体育大会」の略。みんなの大会だから、五輪代表から腕に覚えのあるご近所さんまで、さまざまな選手が出場する。ちょっと気になる東北のアスリートを訪ねた。(岩崎泰之、佐藤夏樹)
 暴れる子牛の首に太い腕を回して腰を落とし、汗をしたたらせながら押さえ込む。動きは、かいなを手繰る力士の所作にも似ている。
 佐藤さんは栗っこ農協(栗原市)に勤めて2年目。農家を回り、子牛の耳に個体を識別するタグを付けるのが主な業務だ。168センチ、135キロの体格には安定感がある。「相撲で鍛えてきましたから」。きゃしゃな人間では務まらない重労働だ。
 平日は仕事を終えてから約2時間、母校の栗駒中の土俵を借りて稽古をする。休日は地元の高校で胸を貸す。学生時代に比べると練習量は激減した。当初は不安だったというが、「牛の力は相当なもの。仕事がトレーニングになる」と思えるようになった。
 宮城・加美農高でインターハイに出場し、大東文化大に進学。故郷に戻って就職し、子どもたちを指導しているうちに相撲との縁を断ち切れなくなった。
 宮城の相撲界には、自分を倒す者が育つまで相撲を離れてはならない、という不文律があるという。「まだ後輩には譲らない」。あと2年は仕事との両立を続けるつもりだ。
 昨年の国体は団体で予選敗退。個人としても、団体予選で3勝した選手による決勝トーナメントに進めなかった。まずは昨年の成績超えが今年の目標になる。
 上位は実業団の選手が多い。練習量の差は歴然としているが、腐りはしない。「自分の中に誇れるものがあるから毎日が充実している」。限られた時間の中で競技に打ち込むことに意味を感じている。


2017年09月26日火曜日


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