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<リボーンアートは何をもたらしたのか>小林武史氏「創造と想像 集う場へ」

小林武史(こばやし・たけし)1959年生まれ。山形県新庄市出身。サザンオールスターズやミスターチルドレンなど数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手掛ける。リボーンアート・フェスティバルを成功に導いたとして「第26回モンブラン国際文化賞」を受賞した。

 東日本大震災の復興が進む石巻市の牡鹿半島を中心に、7月22日から9月10日までの51日間開かれた「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2017」は延べ約26万人の来場者を集め、地域の新たな魅力を発信した。実行委員長の小林武史氏(58)に初開催の手応えや、2019年に開催予定の第2回フェスに向けての展望を聞いた。(聞き手は石巻総局・関根梢)

◎再生の胎動(4)完 小林武史氏に聞く

 −県内外から多くの人が訪れました。
 「雨が続いた影響もあってスロースタートだったが、後半は来場者が多かった。(展示作品は)誰が見ても分かるものではないが、そこにあるクリエイティビティーに引かれて訪れる人がいる。都市であろうが地方であろうが、創造力、想像力が人を引き付けた」

 −RAFの意義をどう考えますか。
 「東日本大震災が起き、東京電力福島第1原発の事故もあった。大きな力に依存して復興を進めるのは情けなくもあり、危うくもある。もっと内からエネルギーが湧いてくるような場づくりをしたいという思いがRAF開催につながった」

 −どんな成果がありましたか。
<次への循環生む>
 「一つは『出会い方』をつくったことだろう。例えば、作品を見て回っているグループに地元の住民が声を掛けてさまざまな話をした。RAFがあったから声を掛けやすくなり、出会ったことによる喜びが随所に生まれた」
 「地元から『続けていきたい』という声が上がったことも大きい。何かまた楽しそうなことが起こりそうだ、という循環が生まれたのだと思う」

 −課題は何ですか。
 「まだ1回しか開催していない。やりきっていない部分、まだやれることがたくさんある。3回やれば、違ってくる部分があるだろう」

 −次回に向けての展望は。
<なぜここなのか>
 「なぜ被災地で、しかも最大級の被害を受けた石巻エリアでRAFを続けていくのか。その意味をより掘り下げ、考えなければならない。そして、どう表現するのか。それが次回のテーマになるだろう」
 「単に人を多く呼び込むだけでは、その場しのぎにすぎない。どこにもないようなクリエイティブ、イマジネーションが集まる場所にしたい。ここでしかできないもの、ここにふさわしいもの、そして未来に向かって扉を開こうとするものがあれば、人を引き付けることができるはずだ」


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2017年09月27日水曜日


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