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<仙台圏私のベスト本>(2)「沈まぬ太陽」信念貫く姿心打たれる

小笠原雅哉さん

 読書の秋真っ盛り。仙台圏の方々にイチ推し本への愛を語ってもらった。

◎無職 小笠原雅哉さん(84)=仙台市青葉区

 東日本大震災で仙台市青葉区荒巻本沢の自宅マンションが全壊し、現在、同区霊屋下の市営住宅に1人で暮らしています。約10年前、がんの疑いがあると指摘されたのをきっかけに、「残りの人生、やりたいことをやらなくちゃ」と小説を書き始めました。
 「伊達凜太郎」というペンネームで2008年に小説「愛の沈丁花(じんちょうげ)」、12年に青春小説「青の奇跡」を文芸社から出版しました。
 お薦めの本は「沈まぬ太陽」(山崎豊子著、新潮社)です。小説執筆の参考に何度も読み返しています。会社から理不尽な扱いを受け続けながらも、主人公が「空の安全」のために信念を貫こうとする姿に心を打たれます。
 会社の不正と闘い、再度アフリカへ左遷された孤高の主人公。心を癒やしてくれたのはアフリカの大自然でした。震災後に再読し、人間は大自然の中で生かされていると感じています。
 私の最新作は、被災体験を基にした短編「無償の愛」です。ボランティアの姿に教えられた助け合いの大切さを描きました。「沈まぬ太陽」から着想を得て、結びのフレーズは「太陽は必ず昇る」にしました。(岩田裕貴)

[メモ]主人公は日本を代表する航空会社の社員で労組委員長を務めた恩地元。ストーリーは日本航空123便墜落事故がモデルとされる。経営陣と対立し、海外に左遷された生活を描く「アフリカ篇」、ジャンボ機墜落事故後、遺族係として対応する「御巣鷹山篇」、事故後の会社内の権力闘争を描く「会長室篇」の3編から成る。


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2017年09月27日水曜日


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