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<仙台PS>住民、運転差し止め求め提訴 石炭火力で初

提訴後に記者会見する弁護団と原告の住民ら=仙台市青葉区の仙台弁護士会館

 仙台市宮城野区の仙台港で試運転中の石炭火力発電所「仙台パワーステーション(PS)」(出力11万200キロワット)の排出ガスにより健康被害が出る恐れがあるとして、周辺住民ら124人が27日、営業運転の差し止めを求める訴えを仙台地裁に起こした。住民側によると、石炭火力発電所の運転差し止めを求める訴訟は全国で初めて。

 訴えによると、発電所稼働後、排出ガスに含まれる微小粒子状物質(PM2.5)や窒素酸化物などの有害物質が大気中に拡散されると指摘。工事計画書を基に健康被害をシミュレーションした結果、半径5キロ圏を中心に年間24人、40年で計960人が心筋梗塞や肺がんなどで死亡する恐れがあるとしている。
 さらに、住民側は二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが気候変動を加速させ、近くの蒲生干潟の生態系にも悪影響が及ぶ可能性があると強調。「発電所の稼働により、住民が安全な環境で健康に暮らす権利が侵害される」と主張した。
 記者会見した原告団長の長谷川公一東北大大学院教授は「事業者に何度も環境調査を求めたが、ないがしろにされた。地域住民が抱く健康不安を全く理解していない」と批判した。
 仙台PSの担当者は「大気汚染防止法などで設定された排出基準値よりも低い値を維持し、環境保全に万全を期す。詳細は訴状が届いていないのでコメントを差し控える」と話した。
 仙台PSは関西電力グループと伊藤忠エネクスの各子会社が共同出資して2014年9月に設立。15年9月に着工し、今年6月に試験運転を開始した。同社は10月1日に営業運転を始める方針。


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2017年09月28日木曜日


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