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<みやぎ考>介護受難 瀬戸際の高齢者福祉(下)試行錯誤の確保策

気仙沼市の介護施設で働きながら、県の介護福祉士養成講座を受講する外国人女性たち=仙台市宮城野区

<直接出向き面接>
 国内労働力への依存を諦め、外国人に活路を求める動きが進んでいる。
 気仙沼市の医療法人「社団晃和会」は2015年12月、経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシアの女性2人を受け入れた。施設で働きながら、国家資格の取得を目指して勉強に励む。
 総務課長の石川恵一さん(60)が首都ジャカルタへ直接出向き、面接した。「地元だけでは限界があり、外から人材を連れてくるべきだとの発想に至った。行政に頼ってばかりはいられない」と強調する。
 気仙沼市の特別養護老人ホーム「キングス・タウン」では、結婚などで市内に暮らすフィリピン出身の女性4人が働く。明るい性格は利用者に好評で、今や重要な戦力となっている。
 「外国人が介護スタッフを務めるなんて聞いたことがなく、最初は手探りだった」。施設長の熊谷雄史さん(55)は12年の採用当時を振り返る。働き始めると、指示を聞き漏らさないよう熱心にメモする姿を見て、不安は消えた。
 現在も職員のシフト編成に余裕はなく、熊谷さん自ら休日出勤する日々は続く。「地域福祉を支えたいとの志があれば国籍は関係ない。サービスを途切れさせないため、試行錯誤を重ねるしかない」と話す。

<県も対策に本腰>
 県も本年度、ようやく本格的な対策に乗り出した。東北福祉大と連携し、外国人を対象にした介護福祉士の養成講座を開設。新たな担い手を掘り起こすため、中高年層を対象にした講習会も始めた。
 介護職の負担軽減を図り、敬遠される仕事の魅力を高めようと、高齢者の見守りや排せつをサポートする介護ロボットの導入補助も開始。マンションや集会所などで、介護予防やデイサービス提供の可能性を探る調査にも着手した。
 県長寿社会政策課の成田美子課長は「行政の支援も施設の経営も受け身ではなく、どうしたら働きがいのある職場になるかを共に考えることが重要だ。人材不足解消にあらゆる手を講じたい」と話す。
 気仙沼介護サービス法人連絡協議会会長の吉田寛さん(59)は、手厚い奨学金制度の創設や空き家を活用した住居確保対策など、人を引き付け、定着を後押しする仕組みを求める。
 「県の取り組みは遅きに失した印象はあるが、国のひも付き予算に頼るのではなく、他県から人材を呼び込むような独自策が必要だ」と指摘する。


2017年09月28日木曜日


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