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重量挙げ中学新で全国V 石巻・蛇田中佐々木柾さん

震災後、東松島市から石巻市に転居し、剣道場で重量挙げの練習に取り組む佐々木選手

 8月に石川県で行われた重量挙げの全国中学生選手権で、石巻市蛇田中3年の佐々木柾(まさき)選手(15)が日本中学新記録を出して初優勝した。東日本大震災の被災を乗り越え、一人で練習を続けてつかんだ快挙。将来の五輪出場を目指し、「被災地にメダルを持ち帰りたい」と大きな夢を描く。

◎「目標は世界」技術磨く

 男子77キロ級の佐々木選手はスナッチ101キロ、ジャーク124キロでトータル225キロを挙げた。いずれも日本中学記録を更新し、2位にトータル28キロの大差で圧勝。175センチの体格を生かしての栄冠に「今まで重ねた努力が報われてうれしい」と笑顔で振り返る。
 重量挙げを始めたのは12歳の時。被災地から五輪で活躍する選手を輩出することなどを目的に、県教委などが運動能力の優れた県内の小学生を育成する「みやぎジュニアアスリートアカデミー」に選抜されたのがきっかけだった。各競技を経験した上で「努力しただけ記録が伸びるのが楽しい」と進む道を決めた。
 小学2年の時に震災の津波で東松島市にあった自宅が全壊し、父茂さん(46)が館長を務める剣道場「桂心舘」と祖母宅がある石巻市に転居。2歳から続ける剣道と並行して道場で一人、毎日1時間半ほど練習する。鏡に向かってフォームを固め、スクワットやデッドリフトで足腰を鍛える。
 「被災して大変な中で五輪という目指すものができ、やりがいになった」。その努力を惜しまない姿勢に茂さんは「剣道の稽古でヘトヘトに疲れても練習はほぼ休まない」と舌を巻く。
 月1回は県内の強豪・柴田高へ練習に出向くほか、高校生らとの合同練習にも参加。今年の全国高校総体(南東北インターハイ)男子69キロ級を制した佐藤康太郎選手(宮城農2年)らのアドバイスも受ける。「高校日本一の先輩に負けないよう、少しでも近づきたい」と励みにしている。
 剣道でも東北中学大会で5位入賞した実力があるが、高校進学後は重量挙げに比重を置き、「インターハイで結果を出し、世界を目指して頑張りたい」と意気込む。茂さんは将来有望な息子を「どこまでいけるか楽しみ」と応援する。


2017年09月29日金曜日


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