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<衆院選東北>働き方改革、復興、北朝鮮問題…有権者の考える争点は

慌ただしく働く市場関係者。衆院解散を受け、東北の有権者は政治に何を期待するのか=28日、気仙沼市魚市場

 衆院が解散した28日、野党の民進党が新党「希望の党」に合流する動きが加速するなど総選挙の対決構図に注目が集まる中、肝心の政策論争の行方は不透明感を増す。各分野に高い関心を寄せる東北の有権者に、「これだ」という争点について聞いた。

◎働き方改革/女性専用の窓口必要

 仕事をする上で、1歳の娘の預け先を探す手間などが負担になっている。一定以上の経営規模の企業には社内託児所の設置を義務付けるなどしてほしい。
 以前はデザイン会社に勤めていたが、出産を機に辞めた。仕事を再開しようとするときは不安もある。市町村などが、培ったスキルを学び直すことのできる講座を開催しているが、数が少ないので、充実させてほしい。子育ての支援制度は数多くあるが、どこに相談すべきか悩む。子育て中の働く女性専用の相談窓口があれば助かる。(青森市・主婦・三宅万里子さん・42歳)

◎消費税増税/被災地の現状 理解を

 消費税の増税分を子どもたちのために使うという安倍晋三首相の言葉は立派だが、東日本大震災で被災した浜は確実に首を絞められる。現在も商品や原材料となるイカやサンマは不漁で高騰し、経営は苦しい。増税で仕入れ値は上がり、生活が大変な被災者の財布のひもは締まる。大打撃だ。増税を掲げる一方で、首相が諸外国に気前よく資金援助を表明する姿には疑問が湧く。浜で生きるわれわれにアベノミクスの恩恵は全く実感できず、東京五輪の建設需要も復興を遅らせている。被災地の現状を理解してくれる政治を望む。(岩手県大槌町・鮮魚店経営・芳賀政和さん・72歳)

◎震災復興/足踏み・計画変更 心配

 東日本大震災の最大被災地の石巻市では、住宅再建がまだ終わっていない。復興事業では国と市が協力して決めていく施策も多い。解散総選挙で復興が足踏みしたり、方向性が変わったりしないか、心配だ。
 そもそも被災地では自治体職員が足りない中で、選挙による仕事の負担が増える。なぜ今、解散なのか、首をかしげざるを得ない。東北の復興は争点になっていない。争点にしても票が集まらないから。それは一般の関心が薄れていることでもあり、危機感を覚える。被災地の課題を政治に届けることが重要だ。(石巻市・石巻復興きずな新聞舎代表・岩元暁子さん・34歳)

◎北朝鮮問題/解決へ向き合う好機

 拉致問題の解決の糸口は見えず、関係者の怒りは大きくなっている。一方で、北朝鮮による核実験や、日本列島の上空を通過する弾道ミサイルの発射が相次ぐなど、情勢は緊迫化している。国民の間に脅威が共有され、国際社会が核・ミサイルの開発阻止に向けて動きだしている今こそ、衆院選は北朝鮮問題と向き合い、日本の安全保障を改めて考える好機になるのではないか。選挙を経て各議員や現政権が審判を受け、拉致被害者の救出を含めた外交、安全保障問題にしっかりと取り組める態勢になってほしい。(秋田市・北朝鮮に拉致された日本人を救出する秋田の会副代表・福岡雅子さん・72歳)

◎エネ政策/原発即停止 議論望む

 東京電力福島第1原発は事故から6年半を経ても溶融燃料(燃料デブリ)を映像で捉えただけ。ほとんど手が付けられていない。世界の英知を集めても廃炉にできるかどうか分からないのに、廃炉完了が40年後と言っているのはおかしい。
 世界のエネルギー政策は原発から太陽光に変わってきている。日本では電力会社の赤字が膨らむなどという経済原則だけで原発を再稼働させようとしている。大部分の原発が停止している現状でも国民生活に問題はない。むしろ安全だ。原発を即座に止めるという議論が起こってほしい。(喜多方市・会津電力社長・佐藤弥右衛門さん・66歳)

◎農政改革/挑戦する若手支えて

 人口減少や食生活の変化に伴い、コメの需要が減っている。農産物の輸出に活路を見いだそうと奮闘する若手生産者が多い。挑戦する農家を支援する体制を整えてほしい。
 高齢化や担い手不足により、労働力不足は深刻だ。耕作放棄地が加速的に増えている光景を目にすると、将来の課題として労働力を海外に求めることを検討してほしい。
 農業のやり方を変えるには10年単位の時間が必要だ。長期的な農業の方向性と将来像を示した上で、一貫性のある政策を進められる政権を望んでいる。(長井市・農業・多田野啓(あきら)さん・41歳)


2017年09月29日金曜日


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