宮城のニュース

女川・きぼうのかね商店街 仮設店舗5年半 きょう営業終了

30日に現地での営業を終了するきぼうのかね商店街
商店街の閉鎖を機に店をたたむ「みなと理容所」の深掘さん

 東日本大震災で被災した宮城県女川町で、浦宿浜にある仮設商店街「きぼうのかね商店街」が30日に現地での営業を終える。10月から町内の荒立・大道地区に移転し、11事業者が順次、営業を再開する。同商店街は2012年4月にオープン。52事業者50店舗が入居し、多くの来場者でにぎわった。閉鎖を機に閉店する人、新天地で自立再建する店主もいて、それぞれが商店街との別れを惜しんでいる。

 同商店街にはこれまで、計65事業者が出店。このうち、26事業者が自立再建し、6事業者がJR女川駅前のテナント型商店街「シーパルピア女川」に店を構えた。廃業は予定を含め14事業者に上る。
 「みなと理容所」の深掘浩一さん(74)は廃業を選択した一人。震災前は町の中心部で、食事をする暇もないほど繁盛したという。
 津波で店舗兼自宅が被災し、仮設商店街で営業を続けた。「店では多くの人と出会い、生活に張り合いが出た」と振り返る。
 震災後は町の人口流出が響き、客は全盛期の5分の1に減少。「再出発するには設備投資が必要だし、跡継ぎもいない」。町民から50年以上親しまれた店を閉める決心をした。
 閉店を惜しむ常連客らが連日顔を出す。「もっと早く住宅整備がされたら、人口減を防げたのではないか」。今も一抹の悔しさを拭いきれずにいる。
 「岡果菜専門店」を1人で切り盛りする岡明雄さん(67)は、新しい仮設商店街に移転する。現在は、町内の学校給食用の配達や個人宅への配達も手掛け「1日15時間労働だ」と苦笑するが、「やめようとは思わなかった」と言い切る。
 「お客さんに喜んでもらえるのが一番うれしい。体力がある限り続けたい」と新天地での営業継続に意気込む。ただ、「仮設の営業が終わる頃には70歳になる。本設の店を持つかどうかは分からない」と言う。
 精肉と総菜を扱う「八百東商店」の3代目、本城慎さん(55)は鷲神浜に店舗兼住宅を再建し、10月中にも営業を始める。「生鮮食品を扱うので家と店が離れていると不便。やっとスタートできる」と胸をなで下ろす。町民に愛される味を今後も守り続ける。
 新たな仮設店舗の営業は19年3月末まで。現在の仮設商店街がある旧女川高グラウンドは県有地で、17年度中に県に返還する。県は敷地の一部に東北電力女川原発オフサイトセンターを建設する。


2017年09月30日土曜日


先頭に戻る